「おもてなし」は掛け声だけ? JRジャパンレールパス問題

県連が日本の各機関に嘆願書提出

 【既報関連】JRグループの「ジャパンレールパス」が来年4月から、居住国に永住権を持っている日本国籍者や外国人と結婚し海外に居住する日本国籍者から利用資格を剥奪すると発表した問題について、県連(山田康夫会長)は9日、在サンパウロ日本国総領事館と日本の外務省中南米局に、また今日13日には日本のJRをはじめ、国土交通省、日系人協会など関係機関に「ジャパン・レール・パス『海外に住む日本国籍者』特例終了再考嘆願書」(以下、嘆願書)を提出する。嘆願書はJRへの同措置再考と従来の利用資格継続を求める内容となっている。山田会長は、「日本で言われている、おもてなしの文化とは掛け声だけでしょうか?」と疑問を呈しており、JRの発表の撤回を希望している。嘆願書の全文は次の通り。

 この度、海外在住日本国籍者への「ジャパン・レール・パス」の販売が2017年3月31日で終了し、日本で国内での引き換えは同年6月30日までとJRグループが発表された件につき再考と継続を、海外在住のブラジル国移住者として嘆願いたします。
 
 この変更内容は、(1)居住国に永住権を所有する者。(日本国籍所有者)(2)日本国外に居住する外国人と結婚している場合。(日本国籍所有者)

 上記該当者は、平成29年3月31日をもってJRレール・パスの引換証の発売を中止するとの報道。

 ブラジルへの日本人の移住は、1908年に始まり戦前戦後を通じて25万人が、この地を踏みました。そして108年を経た現在、ブラジル日系人口は190万人と言われていますが、このうち日本国籍を所有する人たちは、3万人を切っているのではないかとみられています。この移住の歴史は、語るに語れないほどの労苦を重ねて、現在のブラジル社会のなかで、日系人の社会的地位を盛り上げてきました。戦前は多くが家族移住、戦後はコチア青年移住などのように単独で、ブラジル社会の中で農業などの分野で、開拓にいそしみ、多くの青年たちが独立と結婚、その多くは日系二世、三世と結婚しております。開拓の苦労は語るに語れないものでした。そして今日の社会を築き上げてきました。そしてその労苦の後に来たのが、子供たちの成長と訪日です。

 日本の美しい自然と郷土芸能や伝統文化、日本をSLが主として走っていた時代に、日本を離れブラジルに渡った移住者たちが、高齢者となり子供、孫達(日本国以外の国籍)はジャパン・レール・パスが購入でき、その子ども等を育て、一人前にした人たちが購入できないのか考えるとき、その事項の複雑さに驚きを隠せません。また高齢者のみが訪日することを躊躇するのではないかとも考えます。そして日本で今言われている、おもてなしの文化とは掛け声だけでしょうか?

 日本は国を挙げて観光立国を目指しており、現在2000万人といわれる海外からの観光日本入国者を数年後には4000万人へとうたっているようです。

 私どもブラジル日本都道府県人会連合会は、日本の47の県の出身者、そしてその子弟が参加している団体です。

 毎年、私たちが主催している「フェスティバル・ド・ジャポン(日本まつり)」は、ブラジル国民に日本の文化、自然、郷土芸能、郷土食を紹介し、日本あるいは日本人に対する認識を深める活動、催しを行って今年で19年を経過しました。日本文化とは、伝統的、芸術的あるいは民族的な文化のみならず、私たちが受け継いだDNA、和の精神、おもてなしの心、誠実な行動規範を紹介しており、今年度の入場者は3日間で約17万人までになりました。また近年、日本の観光庁や農水省などが私たちの主催する「フェスティバル・ド・ジャポン(日本まつり)」への参加を決めて、今年度はフェスティバル会場で、ブラジル社会ではなじみのない、足湯など2020年の東京オリンピックや日本文化の浸透につとめました。このように、日本の文化芸能、そして日本の素晴らしさをブラジルの人たちに、広めることを行っている人たちが、訪日の折、その恩恵を受けられないのか、再考をお願いしたいと思います。

 この「フェスティバル・ド・ジャポン(日本まつり)」は、ブラジル全土に広がり、今では各地の日本紹介イベントとして定着しており、このイベントを通じて多くのブラジル人(日系人を含む)が訪日していることも事実だと確信しております。

 このように、日本の魅力を発信し、一人でも多くのブラジル人たちに日本の姿を知っていただく団体です。それとともに現在日本国籍所有者はブラジルでは年々減少しております。

 このようなことから、2020年に東京で世界の人たちが、平和への証であるオリンピックを開催する日本の、交通網の主体であるJRグループが、海外在住の日本国籍者へのジャパン・レール・パスの発行終了を決定をされたのか、もう一度再考、継続がなされますことをお願い申し上げます。

 ブラジル日本都道府県人会連合会会長 山田康夫

2016年12月13日付

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