「ダリアに純粋なものはない」㊦ 後継者に託す南米一のダリア園

「ダリアに純粋なものはない」㊦ 後継者に託す南米一のダリア園
ダリア栽培を行っているアキラさん、ヴァグネルさん、フランシスコさんと五十嵐さん
「ダリアに純粋なものはない」㊦ 後継者に託す南米一のダリア園
花弁の色を一本ずつ確認していく

◆ダリア技師の栽培手法
 ダリア栽培技師の五十嵐(いからし)正孝さん(77、山形)がダリア園造成に関わって10年が経過した当時、日本ダリア会(1921年発足)の鷲澤幸治現理事長と交流があった。同理事長の地元・秋田県と山形県の気候が同じことから、「ダリアの専門家になれ」と打診を受けたが、「あの頃は今と違って、農業も景気が良かった」と仕事として農業を行う傍ら、ダリア栽培技師としても活動し続けた。

 ダリア栽培に重要な肥料の3要素、窒素(10%)、リン酸(20%)、カリウム(15%)を配分良く織り交ぜ、他の鉄分などの要素も加わることで、栽培の条件が整うという。五十嵐さんは「人の食事の3要素と同じだ」とダリアへの生きた肥料提供に丹精を込め、成長過程も毎日ノートに記録し続けている。

 五十嵐さんは援協傘下のイペランジアホーム・ダリア園での栽培を行うに当たって、「川西町のダリアのイメージを移行することはできない。ブラジルのイメージに合うダリア園を模索している」と話す。

 現在は除草や土地の手入れも終わり、ダリアの花も大半が咲き始めている。五十嵐さんが来る前から、同ホーム・ダリア園を造成してきたのが、アキラさん(日系3世)、ヴァグネルさん、フランシスコさんの3人。五十嵐さんは「作業は少し遅れていたが、(自身を含めて)4人のスタッフでやれるという自信がある」と話し、「彼らに今後もダリア園を大きくしていってほしい」と期待を込める。ダリア祭りは今年で第24回を迎えるが、第1回目の同祭に日本からブラジルに送る球根の選定を行ったのも五十嵐さんで、同ホーム名となっている「イペランジア」もオレンジ色のダリアの品種名だという。

 『ダリアの里』と呼ばれる川西町では、川西町ダリア会が町内の農協や学校で栽培指導を行っており、昨年末まで五十嵐さんが6年間会長を務めていた。

 五十嵐さんは「(綺麗なダリアの花が)一輪欲しいから切ってくれ」と頼んできた有名写真家・秋山庄太郎氏に「『俺の指を切ってからにしろ』と断ったよ」と振り返り、「お金をもらうから切るのでは、本当の花ではない」と言い切る。

「ダリアに純粋なものはない」㊦ 後継者に託す南米一のダリア園
ダリアの品種「マジック・モーメント」

 五十嵐さんはダリアの魅力を「花そのものの色合い・配色の多さ、花弁の形・大きさなど、ダリアほど組み合わせに富んだ花はない」と語り、「ダリアの色は、真っ黒、真っ青、金、銀、透明の5色以外は全てある。しかも単色はなく、どの花も少し違う色の線などが入っていて、純粋なものはない」と、その奥深さに五十嵐さんは目を光らせる。(戸)(おわり)

2018年2月24日付

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