「ブラジルからの思い届けたい」 東日本大震災5周年追悼復興祈願祭

「ブラジルからの思い届けたい」 東日本大震災5周年追悼復興祈願祭
犠牲者の御霊に合掌する参列者たち

3県人会中心に実施、100人が出席

 東日本大震災5周年追悼復興祈願祭実行委員会(中沢宏一委員長)主催の慰霊祭が、11日午後2時からサンパウロ(聖)市リベルダーデ区のブラジル宮城県人会ホールで行われた。被災地復興を世界に発信し、ブラジル側からの気持ちを届けるという思いのもと、宮城、福島、岩手の被災3県人会が中心となり、犠牲者の追悼法要と復興祈願が執り行われた。

 11日の慰霊祭には約100人が詰めかけ、出席者一同による黙とう、献花が実施。その後、聖州防災局のマルコス・デ・パウラ・バヘット副局長の講演が行われ、先日、聖州で起こった大洪水被害と自然災害の多い日本を比較しながら、災害に対する警告を発した。

 岩手県知事、宮城県知事、福島県知事からのメッセージの代読で、各県の復興の取り組みが紹介されたほか、日本から遠く離れたブラジルで追悼式が執り行われることへの感謝の気持ちが表された。

 中前隆博在聖総領事は、5年前の3月11日に自身も東京で東日本大震災を経験したことを振り返り、「外国からの観光客が年々増加する中、2020年の東京オリンピックに向け、より復興した東北を見せられるよう努力し続けなければならない」と会場の出席者たちに話した。

「ブラジルからの思い届けたい」 東日本大震災5周年追悼復興祈願祭
あいさつする中沢実行委員長
 中沢実行委員長はあいさつで、「約8割の日系人がここサンパウロに住んでいる。遠いブラジルだが震災を忘れず、これからもできることをしていきたい」と熱い気持ちを語り、ブラジルと日本のつながりを強調した。

 次いで、「石巻日日こども新聞」ブラジル支部の福島文遥(もみぢ)さん(15、宮城)が発表。子供たちが自ら情報を発信していくことで、「震災の辛い経験を溜め込まずにすむのでは」という思いから始まった地元石巻で行われるこども新聞の活動や、昨年帰国した際の石巻の復興の様子が報告された。

 引き続き、「被災地を支えるオーガニックコットン」の上映が行われた。福島県いわき市で栽培した綿花で作られた「コットンベイブ」と称する人形の中に綿花の種が入っており、購入者は各地で綿花を栽培し、収穫した綿をいわき市に送り返す農業復興プロジェクト。1年間で1万個売り上げ、現在では福島県の復興の象徴となっている。

 最後に、ブラジル健康体操協会によるイッペー音頭が披露。「花は咲く」の合唱で会場中が被災地を思う気持ちで包まれた。

 千田昿暁副実行委員長は、「ふるさとを思う気持ちは一つ。被災地の方には、牛歩のごとくこれからも前に進んでほしい」と復興への思いと出席者への感謝の意を表し、閉会のあいさつとした。

 慰霊祭後の懇親会では出席者から、「今回の追悼式典は構成が素晴らしかった。オーガニックコットンプロジェクトなら、我々も簡単に協力できる」という式典に対する称賛の声もあがった。

 「多くの出席者が集まり、慰霊祭は大成功だった。これからも被災地を思い続けたい」と永山八郎副実行委員長は慰霊祭を振り返った。さらに、福島県人会の曽我部威事務局長は「復興はまだまだこれからで時間も要するが、一刻も早い復興を願っている。ここブラジルで福島県の宣伝活動に力を入れたい」と、意気込みを語った。

 中沢実行委員長は、「平日の午後2時からという時間帯にも関わらず、たくさんの参加者に足を運んでもらえて有り難い。毎年3月11日に形は違っても、東日本大震災を思う日にしたい」と、率直な思いを語った。

2016年3月15日付

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