「ミマキ・ブラジル」

鳴神正社長
 産業用プリンターのミマキ・ブラジル(鳴神正社長)がブラジルに進出して業務を開始したのは昨年5月、日本側本社は長野県東御(とうみ)市に本社があるミマキ・エンジニアリング。
 あらゆる工業製品にプリントを施し、プリント&カッター、プリントのみ、カットのみの3種機械とインク等周辺機材を輸入販売、設立時期と同時に日本から船積みしたプリンターは昨年8月に最初の売り上げを記録した。

 昨年を助走の年としたなら今年はまさしく飛躍の年だ。
 同社の産業用プリンターは(1)広告・看板等市場向けSG(サイングラフィック)、(2)主に自動車・家電等工業製品市場向けIP(インダストリアルプロダクト)、(3)繊維業界における裁断・縫製加工前の生地(テキスタイル)、Tシャツ等既製服(アパレル)市場向けTA(テキスタイル&アパレル)に大別される。

 現在、鳴神社長を先頭に社員17人と販売パートナーとしてブラジル全土を網羅する大手1社と地域密着型の中小4社の販売代理店計5社が営業販売を展開。
 主力となる広告・看板等SG市場は広告業界の存在するサンパウロ、リオを中心にポルトアレグレ、ベロオリゾンテ、ブラジリア等の大都市に集中しているが、SG業界は他社との競争も激しく、市場はほぼ固まっている。

 今後の販売活動で期待のできるのはIPとTAの市場。
 従来、これら産業用プリントの主流だった少品種大量生産向けのシルクスクリーン式プリントから同社の得意とする多品種少量生産向けのインクジェット式デジタルプリントへの移行は時間の問題だが、現在は競合他社も含めてこれらのシェア獲得がどこも主流を得ていない乱戦状態。日本、アメリカ、ドイツからブラジルに進出している競合5社による市場争奪戦になるが、実は製品そのものは輸入代理店を通じて10年前からブラジル市場に出回り、現在市場占有率2位の同社がIP、TA市場の獲得から総合トップの座に躍り出る可能性も高く、ブラジルに進出した第一の理由は国別での売り上げ上昇に日本側が注目したからだった。

 特にTA繊維関係は南伯のポルトアレグレと北伯のレシーフェ、フォルタレーザの2大地域に市場が集中、南と北の大生産地から同社のプリンターでデザイン柄のプリントされた反物が全伯に流れているが、ここでも先の多品種小量生産技術が個性を重視するファッション業界から大きく受け入れられ、繊維にプリントを施す技術としてミマキのプリンターは革命的な技術と言える。
 プリンターの販売と並行して同社の大切な業務にメンテナンスがある。メンテナンスの勝負どころは顧客からの修理依頼から修理完了までの時間の短さ、アフターサービスの充実だ。

 同社の駐在員は鳴神社長と2人の技術者。
 機械が故障した場合、直接の修理は代理店ディラーの技術者が行うが、同社では常にその2人が代理店技術者たちを指導。高度な修理技術が必要になるケースでもブラジル側で対処できる体制を整えている。
 また、意外な優良商品としてプリンターに装着するカセット式インクがある。

 インクは今のところ、主流になっているのは水性または揮発性溶剤タイプだが、プリントの対象を選ばず、さらに、環境に優しい紫外線反応(UV)タイプが今後の主流へと除々に移行している。
 プリントの対象を選ばないということを少し説明しておくと、水性や揮発性溶剤インクはプラスチック等非吸収性素材への直接印刷はできないがUVインクはそれらに問題なく印刷ができる。

 このインクが日本側本社では総売上の3割を超えていることからブラジルでもこれに大いに期待している。
 先のメンテナンス業務にもあるように顧客からの要求を確実かつ迅速に成就させる事を意味するオンデマンド・ビジネスを顧客の業務と並行させる形で積極的に推進させ、「新しさと違い」を提案してきた開発スタイルは日本側本社の社員30%が製品開発に携わるという企業体質にも表れている。

2011年1月1日付

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