「文協大講堂の改修を!」 移民110周年予算を期待

「文協大講堂の改修を!」 移民110周年予算を期待
老朽化が激しい文協大講堂の舞台

コロニア芸能関係者から切実な声

 「移民110周年記念事業で、文協大講堂の改修工事を行ってほしい」―。日系社会の「文化の殿堂」と言われるブラジル日本文化福祉協会(文協)の大講堂だが、まともな常設照明機材が整っていない上に、舞台も老朽化が目立ち、コロニア芸能関係者からは「日系社会を代表する檜(ひのき)舞台なのに、もう少し何とかならないか」と指摘される声も少なくない。移民110周年事業では、サンロッケ市にある国士舘スポーツセンターの再開発計画が進められているが、同周年事業の一環として大講堂の改修を求める声も高まっている。

 現在、移民110周年祭典委員会(呉屋春美委員長)では、トヨタやホンダ等の日本企業の製品提供によるリッファ(協力券)の販売などで、同周年事業の予算として約300万レアルが計上されている。

 そのうち、サンパウロ市のサンパウロ・エキスポ・センターでの第21回日本祭りと同時並行して7月21日に開催される110周年記念式典に約120万レアル、残りを国士舘スポーツセンターの再開発計画の第1期工事に使用されることが公表されている。

 そうした中、文協施設を利用することが多いコロニア芸能関係者たちから「国士舘(スポーツセンター再開発計画)の予算の一部でいいから、文協大講堂の改修に回してほしい」との声が上がっている。

 関係者によると、大講堂は現在、常設されている照明では「暗すぎて、まともには使用できない状態だ」といい、「ブラジル日系社会を代表すると言われる文協の檜舞台(大講堂)が、今時、常設されている照明だけで普通に使用できないのは本当に情けない」と嘆いている。

 また、舞台そのものの老朽化も激しく、第1回コロニア芸能祭から文協に関わってきたという芸能関係者は「(大講堂の)2階席から舞台を見ると、その粗末さがよく分かる。以前から、どうしてもっと良い舞台に改修しないのかと不思議に思ってきた。せっかくの良いショーも台無しになる」と率直な感想を語る。

 さらに、実際に舞台を踏む人たちからは「裸足で舞台を歩くと、トゲが刺さりかねない」と不満の声も聞こえる。ある日本舞踊団体の名取は「私たちにとって、舞台は命です。お客様に少しでも良いものを見ていただきたいと常に思っていますが、特に大きなイベントの時の(大講堂の)舞台の状態はひどすぎますね。もう少しきれいにしてほしいと、いつも思っています」と改修工事を希望している。 

 現在の大講堂の使用料金は約1万5000レアル。大きなイベントを行うためには照明業者に依頼せざるを得ないが、その場合は照明機材や規模にもよるが1万レアル前後はかかるとみられ、大講堂の借り賃と照明代だけで2万~3万レアルの費用が必要となる。そのため、大講堂で各種イベントを行う主催団体及び芸能関係者にとっても、大きな負担となっているのが現状だ。

 これらの声に対して、菊地義治移民110周年実行委員長は、将来的な日系社会にとっての国士舘スポーツセンターの再開発の必要性を強調した上で、「現状では(文協大講堂の)大掛かりな全面改修工事はできないが、20万レアルほどあれば、(常設)照明や舞台の表面の改修ができる可能性はある」と話す。

 1世のコロニア芸能関係者の一人は「我々が移民110周年のリッファを買うのは、コロニアを盛り上げることが目的。第2期、第3期と工事を続け、いつ効果が出るか分からない国士舘スポーツセンターの再開発よりも、自分たちとしてはすぐ効果が分かる文協大講堂の改修を行ってほしい」と切実な思いを訴えている。

2018年6月12日付

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