「日本を伝える最高の場所」 NY新潟県人会の大坪賢次会長

「日本を伝える最高の場所」 NY新潟県人会の大坪賢次会長
会館前に佇む大坪氏

サンパウロ・ジャパンハウスを視察

 アメリカのニューヨーク新潟県人会の会長であり、同地で新潟県の物産を紹介するアンテナショップの代表である大坪賢次氏(72、新潟)が、先日サンパウロ(聖)市に開館したジャパンハウス(JH)の視察のため、9日に来聖した。視察では平田アンジェラJH館長と面会し、「日本の素晴らしさを伝える最高の場所」と高く評価した。視察後はブラジル新潟県人会を訪問。南雲良治会長と交流し、両県人会の現状などを話し合い、交流を深めた。

「日本を伝える最高の場所」 NY新潟県人会の大坪賢次会長
「新潟日報」を手に微笑む南雲会長と大坪氏(左から)

 大坪氏はニューヨーク市で不動産業を営みながら、同市内の警察や病院、大学で理事を務めるなど、アメリカ人社会でも広く活躍している人物。ニューヨーク新潟県人会の会長も、長年務めている。大坪氏が渡米したのはベトナム戦争中だった1964年にベトナムを訪問したことがきっかけだという。現地の惨劇を目の当たりにし、「国際貢献ができる仕事をして、戦争のない世界を作ろう。そのためには米国へ行かなければ」と感じ、68年に渡米。ルイジアナ州立大学やワシントン大学ロースクールなどで学んだ。その後、ニューヨークの活気に魅せられ、官僚ではなくビジネスの道へ。進出日本企業のコンサルタント業を皮切りに、31年前からは不動産業を行っている。

 「長年アメリカにいる日本人として、日本のために何かしたい。その一環で、まず新潟のために何かしたい」という思いから新潟に帰省する度に、県知事や新潟日報社社長と話し合いを重ねた。その結果、2010年に同日報社ニューヨーク拠点が設立され、15年1月には同県主導のアンテナショップが開館。責任者に就任した。

 アンテナショップはニューヨーク市のセントラル公園近くに所在し、新潟県の米や日本酒を紹介している。同市にアンテナショップがあるのは日本の47都道府県では唯一同県のみで、日本全国から注目を集めているという。
 主となるのは販売ではなく、同県の特産品の紹介。80種類に及ぶ同県内酒蔵の日本酒や魚沼産コシヒカリ、三条市の工芸品などを展示し、「新潟の良さを知ってもらうことが第一」と同市民に新潟の魅力を伝えることを目的としている。ショップ内では食事の提供も行っており、わっぱ飯やタレカツ、のっぺ汁に弁当類など同県の郷土料理が楽しめる。

 今回の来伯は、大坪氏が現在進めているプロジェクトに関し、JHを視察することが目的。また、「日本政府がどのようなことをJHでやっているのか見に来た」と、その理由を話した。JHの印象については「思ったより狭かった。それと食文化を広める施設がもっとあれば良かったと思う」と率直な感想を話しつつも、「世界の中で日本の存在感が失われていっている中で、日本の素晴らしさを伝える場所としてとても意義深い」と高く評価した。

 同日午後3時には、聖市アクリマソン区の新潟県人会をニューヨーク産のワインを手土産に訪問。南雲会長が出迎えた。南雲会長からは、昨年同県人会が創立60周年を迎えたことや県人会の現状などが説明され、大坪氏からは県人会の会員数や普段の活動についての質問がされた。

 ニューヨーク新潟県人会は、来年で創立30周年を迎える。新年会、お花見、バーベキュー、ワイン酒蔵ツアーが毎年恒例のイベントで、不定期で母県からの訪問者の歓迎会などを行っている。年々会員が増えているそうで、特に20代、30代の若者が多いという。「若い人を中心に据えて、若い人が入りやすい会作りを心がけている」と会員増加の秘訣を明かした。また、新潟日報の国際拠点ができたことで、そこから送られる記事を読んで渡米してきた若者も増えているそうだ。

 今後は新潟県内の15、16歳の学生を対象に、アメリカ視察プログラムの実施を行いたいと大坪氏は話し、県知事との話し合いも進んでいるという。「新潟の田舎が嫌で18歳で東京に飛び出したのに、今ではニューヨークで新潟のために働いている」と自嘲的に笑いながらも、その言葉からは「新潟のため、日本のため」という強い意志が感じられた。

2017年5月18日付

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