「本当の自分として生きたい」 ゴイアニア市出身の吉田さん

「本当の自分として生きたい」 ゴイアニア市出身の吉田さん
吉田ジオゴえいじさん(写真=本人提供)

 近年LGBTに対する理解や受け入れが進み、ブラジルでは今年も世界最大規模のゲイパレードが明日3日に行われる。日本でも経済評論家の勝間和代さんがバイセクシャルで同性の恋人がいると公表し、大きな話題となっている。

【関連】モザイク 2018年6月2日

 ゴイアス州ゴイアニア市出身の吉田ジオゴえいじさん(25、3世)も、自分が男性同性愛者(ゲイ)だとオープンにしているうちの一人だ。自分が同性愛者だと自覚したのは、「何となく昔から」。12歳頃に周りの友人が女性の話ばかりしていたが、自分は男性に対して「かっこいいなぁ」と興味を持っていたという。

 しかし、当時は同性愛者だということはオープンにしていなかった。「ブラジルで同性愛者だと言うと、学校でいじめられる。友達を失くすかもしれない。怖くて誰にも言えなかった」と吉田さんは振り返る。

 実際に、差別はあった。立ち居振る舞いからか、歩いていると車の中から「viado(ゲイの差別用語)」とからかいの言葉を投げられた。ゴイアスの盆祭りで青年が踊る「祭りダンス」の練習をしていた時には、年配の男性から「えいじは(踊りが)ゲイっぽいから踊らないでほしい。ダンスにゲイのイメージがつくから」と参加を拒まれた。「そう見えないように踊るから」と伝えたが、ショックは大きかった。

 転機が訪れたのは、18歳で恋人ができた時。勇気を出して、親に自分が同性愛者だと伝えた。両親は驚いたようだが、すぐに温かく受け入れてくれたという。姉は言わなくても気づいたようで、「彼氏と仲良くね」と励ましてくれた。

 ただ、ブラジルは同性愛に寛容な反面、殺害事件も多発している。母親からは「手をつないで歩かないでほしい」と言われることもあった。

 日本へ留学後も、吉田さんは同性愛者だとオープンにしている。「日本人は保守的なイメージがあるので、最初は伝えるのが怖かった。けど、本当の友達になりたいのに、嘘はつきたくなかった」とある日、主催したホームパーティで勇気を出して伝えたところ、非常に好意的に受け入れられた。今でも「彼氏が出来たら紹介してね」と友人に言われる。

 現在は日本の大学院で、ブラジル人と日本人の多文化共生に関する研究を行っている。日本とブラジルの懸け橋になりたいと、今月ハワイで開催される第59回海外日系人大会にも参加する予定だ。

 「日系人で同性愛者だって言うのは怖いって人は、たくさんいると思う。でも、オープンにしても良いんだって僕は伝えたい」と吉田さんは話す。「日系コミュニティーの中で反対する人もいると思うけど、側にいてくれる人もたくさんいる。一人じゃないよって伝えたい」と、これからもLGBTの一人として、誇りを持って生きていく考えだ。

2018年6月2日付

コメント0

コメントを書く

Login

Welcome! Login in to your account

Remember me Lost your password?

Lost Password