「柔道は世界の文化」 講道館柔道「形」講習会

来伯した講道館柔道指導者とブラジル柔道関係者たち

小中高生へのワークショップも

「柔道は今や日本だけのものでなく、世界の文化になりつつある。正しい柔道を世界に広めたい」―。日伯修好120周年記念事業の一環として、講道館(上村春樹館長)柔道の「形(かた)」講習会が、20日から24日までサンパウロ(聖)市イビラプエラ体育館横の「南米講道館」(Rua Manoel da Nobrega, 1361)で開催されている。その開会セレモニーが20日午前9時から同館で開かれ、上村館長は冒頭の言葉を強調した。期間中、日本から来伯している有段者たちが、柔道の歴史や基本理念をはじめ、「投げ」「固め」など6つの「形」を指導する。

ブラジル初となった「形」講習会に日本の講道館から来伯したのは、上村館長(9段)、佐藤正8段、宇津木俊博8段、藤田真郎8段、鮫島元成8段、村田直樹8段、道場(どうば)良久8段、小志田(しょしだ)憲一7段、南保(なんぼ)徳双6段、仮屋力5段の10人。

開会セレモニーには講道館関係者をはじめ、ブラジル柔道連盟のフランシスコ・デ・カルバーリョ副会長、パウリスタ柔道連盟のアレサンドロ・パニッツ・プグリア会長、ジアン・マデイラ聖州スポーツ局長、佐野浩明在聖総領事館首席領事のほか、ブラジル各地の柔道有段者及び指導者らが出席した。


カルバーリョ副会長はあいさつで、パウロ・バンデルレイ会長が会議で出席できなかったことに触れた上で、「上村館長をはじめとする日本の有段者の方たちから指導してもらうことを楽しみにしている。参加者たちは今日から4日間、講習を十分に利用していただきたい」と激励した。

佐野首席領事に続いてあいさつに立った上村館長は、講道館柔道が創設者の嘉納治五郎氏により1882年に「人作りとしての柔道」を唱えて始まった歴史を紹介し、現在柔道は世界200カ国で行われていると説明した。また、ブラジルの柔道人口が約200万人と世界有数の柔道大国となり、来年のリオ五輪でさらに期待できると称賛。「先人が築いた柔道をさらに発展させ、後世に伝えることが我々の責務」と述べ、一緒に伝えていくことの大切さを説いた。

その後、記念品の交換が行われ、上村館長からブラジル柔道連盟とパウリスタ柔道連盟に嘉納治五郎氏の「遺訓」が手渡された。

記念セレモニーの後、記者団のインタビューに応じた上村館長は、今回の「形」の講習会では特に柔道の歴史、理念などの基本指導を初心者向けに行うという。過去4回、欧州で行っている「形」の講習会については、「(語学の)文法のようなもの」と説明。「きちんと身につけることで自分の良いところを最大限に発揮できる」とし、「今や柔道は日本だけのものではなく、世界の文化になりつつある。ブラジルでは日系社会が率先して人作りを行い、子供たちを育成してきた。このことはブラジル全土の日系人の方々のお陰」と述べた。

また、ブラジルの柔道について上村館長は「非常にオーソドックス(正統的)で、レベルアップすれば強い勢力になる。『組む』ことが(勝利への)キーワードになる」と助言し、「正しい柔道のやり方が頂点を極める」と語った。

午前10時半から行われた柔道ワークショップには、アルモニア学園、赤間学院ピオネイロ校、大志万学園の3校の小中高生約100人が参加。鮫島8段の指導により、準備運動、受け身や「礼」「座礼」の仕方などを教わった。

赤間学院ピオネイロ校から体操服姿で参加したエリス・アダチハラさん(14、3世)は初めて体験した「受け身」について、「まあまあできたかな」と笑いながら、手をひらひらさせた。

また、今回の講習会にアルゼンチンから2人で参加した相馬英樹8段(71、青森)と金城勝6段(57、沖縄)によると、同国の柔道人口は約10万人だといい、「サンパウロで形の講習会が行われるのは本当に素晴らしいこと。我々もブラジル柔道に追いつけ追い越せという気持ちでやっている」と意気込みを表していた。

ブラジル講道館柔道有段者会の関根隆範会長は、「日本の講道館から指導者の方々に来ていただいてレベルアップが図れることは非常に意義深いこと。特に昨今では柔道の理合(理論)が忘れられがちになる中、ブラジルではこうした形の勉強が必要。日本文化である講道館のエッセンスを我々も勉強していきたい」と述べ、日伯両国関係者の協力で実現できたことに感謝の意を表した。

2015年5月22日付

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