「老い」について考える 第2部③

1人で食事ができない老人も多い

複雑化する福祉施設運営

もちろん、苦しい経営状況に救済会は手をこまねいているばかりではない。近年ブラジルへの進出が著しい日系企業などに向けた企業会員集めに現在動き始めている。企業会員を見つけることができれば、安定した大きな収入源になることは間違いない。
また、憩の園の広大な土地の利用方法も現在模索中である。1980年代に1度、特定有料老人ホームを敷地内に設立する動きもあったが、頓挫してしまった。現在になって再度新しい施設設立を目指す動きがあり、具体的にはデイセンターやその他の入居施設などの案が上がっているようだ。

しかし、土地活用でまず問題となってくるのは、資金の問題だ。現在の財政状況では、「箱物」を造るほどの余裕を救済会は持ち合わせていない。
加えて、現在救済会の理事は25人おり、土地活用には全理事の賛成が必要となるが、救済会の将来がかかる大事業ともなると、皆がそれぞれの意見や案を出し、なかなか一本化して前に進むことができない。上層部の意見の相違によって全く身動きが取れなくなってしまい、結果的にジリ貧の状況へ追い込まれてしまった日系コロニア団体は少なくない。

さらに土地活用を難しくさせているのは、救済会が社会福祉法人であるということだ。前述の通り、社会福祉法人は営利活動が行えないため、何らかの有料施設運営を行うとすれば、民間企業への委託が必要になり、運営は複雑化する。
さまざまなハードルが立ちはだかり、なかなか財政を好転化することができない救済会。そうした中、日系社会の高齢化は着々と進んでおり、会員数も右肩下がりとなっている。施設の老朽化も進み、修繕が追い付かない個所も目立ち始めてきた。現場職員からは、「ヘルパーの数に対して入居者の介護必要度が増し、1人当たりの負担が重くなってきた」との声も聞こえる。
このままでは、近い将来に運営が限界を迎えてしまうかもしれない。(つづく、毛利健人記者)

2013年5月17日付

コメント0

コメントを書く

Login

Welcome! Login in to your account

Remember me Lost your password?

Lost Password