「買うならピラッタ」 国民の意識改革が課題

6割が認識も安価につられ

 模倣品や海賊版(ピラッタ)を購入するブラジル人は、全人口の約半数―。海賊商品撲滅国家審議会委員長でもある国家法務局長官が、海賊版密輸組織に便宜供与という不祥事が判明した矢先、国民の多数が不正行為だと認識しつつも安価なピラッタを購入する実態を16日付エスタード紙が伝えた。同報道によれば、年商8500億レアルと推定されるピラッタ市場は未徴収税などにより、国庫は年間200億レアルの損失を被っているという。

 リオ州商業連盟の調査によれば、2009年に海賊商品を購入した人は、全人口の約46%。そのうち69%がピラッタは犯罪組織の資金源となり、雇用縮小にもつながる(63%)と認識する一方、94%までが「安価」を理由に購入していることが分かった。
 「中国をも凌ぐピラッタ天国」とされるブラジルは、同市場の年間売り上げが8500億レアルで、国内総生産(GDP)の30%に相当するほど。ブラジル偽造撲滅協会(ABCF)によれば、未徴収税などによる国庫損害は推定200億レアル。企業損失や雇用縮小のほか、保障なし商品で消費者が被る不利益なども問題となっている。
 国内で流通する商品は、自動車の部品から燃料、タバコ、電化製品、化粧品、薬品、衣類、CD、DVDまで多岐にわたる。新製品にも敏感で、聖市内の闇市場では米アップル社製iPadの密輸品が、正規品の発売前から販売されている始末だ。
 これらのピラッタ商品は8割までが中国、韓国、パラグアイ製。国境伝いの陸路またはコンテナ船で密輸される。連邦警察によれば、押収品は00~09年の間に3倍以上に増え、3月から取り締まりを強化したものの焼け石に水だという。
 近年、服や靴などは国内生産されるようになり、新たな闇市場の拡大懸念とともに、自給率が100%近かった櫛・ブラシ製造などの国内産業が業務縮小したり、倒産する弊害も招いている。
 国際社会でもインターポールが「世紀の犯罪」と位置づけるピラッタは、近年は取り引きが麻薬取り引き(年間3600億ドル)を遥かに上回り、6千億ドルのマーケットに膨れ上がっている。
 伯国でも規制強化が叫ばれて久しいが、今回の意識調査の結果や国家法務局長官の不正は、問題の根の深さと改善の難しさを表している。併せて、低所得層の多さや文化背景、技術革新の遅れなども改善を阻む要因だと指摘されている。

2010年5月22日付

コメント0

コメントを書く

Login

Welcome! Login in to your account

Remember me Lost your password?

Lost Password