【特集】岩手県人会創立60年・県人移住100年式典

【特集】岩手県人会創立60年・県人移住100年式典
式典であいさつする千田会長

達増知事ら大型慶祝団が来伯して祝福 各地県人会員など総勢300人が出席

 ブラジル岩手県人会(千田曠曉会長)創立60周年、同県人移住100周年記念式典が、8月26日午前10時からサンパウロ(聖)市リベルダーデ区の電気工組合ホールで開催され、母県から達増(たっそ)拓也県知事、佐々木順一県議会議長をはじめとする慶祝団約40人が来伯して出席した。時折霧雨が降る寒さの中、会場にはサンパウロをはじめ、遠方からはベレン、隣国パラグアイのアスンシオン、イグアス、ピラポなど南米の岩手県人関係者合わせて総勢約300人が参加し、「還暦」の節目の年を祝った。

◆岩手県人会の歴史

 ブラジルの岩手県人の先駆けは1918年に一関市出身の小野寺美代治氏が聖州奥地に入植したことに始まり、大正時代には26人の県人が移住したことが記録されている。また、戦後の57年に渡伯した千田安治氏が、移住当初から集めた260人分の県人名簿をもとに、発起人5人とともに「親睦を旨として」創立総会を59年10月11日に開催したことで岩手県人会が発足した。初代会長の江刺家(えさしか)勝氏をはじめ、99年から約20年に及ぶ長期にわたって務めている現在の千田会長は7代目会長にあたる。

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記念のケーキカット

◆記念式典

 当日の記念式典には、母県から達増知事、佐々木県会議長、谷藤裕明盛岡市長、本田敏秋遠野市長、小野寺正徳金ケ崎副町長をはじめ、慶祝団総団長で山田町議会議員と岩手県相撲連盟副会長を兼任している菊地光明氏、東根千万億(あずまね・ちまお)岩手日報社長、岩手県郷土芸能団(藤沢清美団長)など慶祝団一行約40人が来伯。来賓として、野口泰在聖総領事、山田康夫県連会長、菊地義治移民110周年実行委員長も出席した。

 式典では日伯両国歌斉唱、先亡者への黙とう後、千田会長のあいさつに続き、達増知事ら来賓がそれぞれ祝辞を述べた。初来伯した佐々木県会議長は「県人移住100年の歴史の中で粘り強い精神と勤勉さで苦難を乗り越え、今日のブラジルでの皆様の隆盛を拝見し、万感胸に迫る思い」と述べ、東日本大震災への伯国からの温かい支援に感謝の気持ちを表した。

 県人会活動功労者表彰では、達増県知事から15人の功労者に賞状と記念品が贈られ、代表して千田会長が受け取った。

 県人会から母県への記念品贈呈、母県から県人会及び日系団体への激励金の寄贈などに続き、県費留学生・技術研修性OBを代表して2016年度研修生の八重樫亜紀カリンさんがあいさつ。母県で世話になったことに感謝の気持ちを表し、県費留学生・技術研修生制度のさらなる継続を願った。

 オオタチ・ミリアン・コーラスグループが「ふるさと」「あの素晴らしい愛をもう一度」など5曲の歌声を披露した後、岩手県人会太鼓グループ「雷神」による太鼓演奏で式典は締めくくられた。

◆記念祝賀会

 場所を同ホール3階に移し、(株)南部美人代表取締役社長で5代目蔵元の久慈浩介氏の発声で行われた鏡開きに続いて、菊地実行委員長による音頭で乾杯。一同はブラジル式で「乾杯、ビーバ、万歳」と杯を掲げ、祝賀会を盛り上げた。

感動の「いわて芸能まつり」 民謡と舞踊、歌謡で盛り上げ

 祝賀会後の午後1時45分からは「いわて芸能まつり」と題して場所を再び式典会場に戻し、母県から来伯した岩手県郷土芸能団一行が民謡、舞踊、歌謡公演を2部構成で披露。プロ集団による洗練された唄声と踊りが来場者を感動させた。

 同団からは藤沢団長をはじめ、副団長の中川愛子さん、団員の三上紀子さん、漆原栄美子さん、鳴海みよさん、北条真由美さん、佐野よりこさん、井上ひとみさん、山上衛(まもる)さんと、17歳の高校生・佐藤竜雅(たつが)さんの10人が出演。藤沢団長はあいさつで、ブラジルに移住した岩手県の先人が持ち前の「開拓魂」で苦難を乗り越え、現在に至ったことに改めて敬意を表した。

 同公演では、中川副団長(78)が岩手弁によるユーモア溢れる司会ぶりで場を盛り上げ、第1部は、「ふるさと岩手と東北のうたつづり」と題して『外山節』の唄と踊りを皮切りに、『南部牛追唄』『沢内甚句』『南部俵積唄』など岩手県民謡を中心に、山形県の『真室川音頭』、宮城県の『米節』、青森県の『津軽よされ節』なども唄い上げた。

 第2部は「日本の民謡と歌謡」と題し、北条さんがバスガイドの格好で司会役を務め、冗談を飛ばしながら自ら『東京のバスガール』を熱唱。佐藤さんの三味線伴奏で三上さんが『じょんから女節』を歌ったほか、新舞踊として『星空の秋子』を山上さんが歌い、井上さんが華麗な踊りを披露した。また、歌謡『富士』を鳴海さん、『無法松の一生』を佐野さんがそれぞれ渋く歌い上げた。さらに、5年前の岩手県人会創立55周年記念式典の際に来伯したプロの演歌歌手・福田こうへい氏の「民謡の師匠」である漆原さんが『酔歌』を歌うなど、場を沸かせた。

 終盤で特に会場を盛り上げたのは、団員全員による『花笠音頭』。一緒に踊っていた中川副団長の茶髪のかつらを団員が掴んで会場に放り投げ、「蚊取り線香」型の坊主頭が露出されると、会場は大爆笑となった。

 フィナーレは、達増知事をはじめ来場者も一体となって『炭坑節』を踊り、会場内を練り歩いた。

 中川副団長は「(岩手県人会創立)35周年の時に初めてブラジルに来て、今回で(来伯は)6回目になりますが、当初(伯国の県人会員から)『岩手弁が懐かしいから、また来てけろ』と言われました。そのうち、そうした1世の人たちも亡くなり、少なくなりましたが、2世、3世の人にも岩手の言葉を覚えてくれればとの思いで来ています。今まで『一人一芸』をモットーに団員が来ていましたが、特に今回は一人で二芸も三芸もできるプロのメンバーが来てくれて、何をさせても素晴らしい芸を見せてくれました」と満足した様子だった。

 アチバイア市から車椅子姿で駆け付けた及川君雄さん(80)は「今回は達増知事と初めて話すことができたし、民謡も懐かしかった」と充実した表情を見せていた。

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