【特集】静岡県人会創立60周年記念式典 母県での研修制度再開を願って

【特集】静岡県人会創立60周年記念式典
記念式典の様子

川勝知事、杉山県会議長らも来伯出席

【特集】静岡県人会創立60周年記念式典
記念品贈呈で握手する知事と原会長(左)

 ブラジル静岡県人会(原長門会長)は8月27日、創立60周年記念式典をサンパウロ市リベルダーデ区の同県人会館で開催した。同式典には、静岡県の川勝平太知事、同県議会の杉山盛雄議長、同県の増井浩二地域外交監など計6人が日本から駆け付け、花を添えた。原会長はあいさつで、60周年を迎えられたことへの感謝の思いを表し、「日本への研修制度の再開をお願いしたい」と将来を見据えた構想を語った。創立60周年を迎え、次世代へ同県人会を継承していくために、来伯した知事、議長らに要望を懇願する機会となった。

 当日、会場には満杯となる250人を超える人が出席し、同県人会の式典としては異例の規模となった。

 冒頭のあいさつで原会長は「60周年を迎えられたことを大変嬉しく思います。これからの発展を見据え、静岡県人の子孫のために研修再開をお願いしたい」と式を迎えられたことを同県人会を代表して謝辞を述べ、若い世代の活躍・成長の場を持ちたい旨を語った。

 川勝知事は祝辞の中で、ブラジル静岡県人会が発足して60年を迎えたことに敬意を表した。また「移民の父」として知られる静岡出身の平野運平氏をはじめとする開拓者・先人の苦労を偲んだ上で、「リオ五輪では皆様と同じ静岡県出身選手が大いに力を発揮し、ブラジルの発展のために貢献し、感動を与えてくれました。これからも静岡県の発展に力を注いでいきます」と日伯の静岡県のつながりを強調した。

 静岡県から優良海外移住者表彰、高齢者表彰、同県人会からも特別表彰、功労者表彰が贈られた。特別表彰は事務局の木野博さん。功労者表彰は、鈴木幸雄評議員議長、山本茂副評議員議長、鈴木幸子さんを筆頭に10人に贈られた。その中には長年同県人会を支えてきた故・後藤宗治さんと、石切山カヨコさんも名を連ねており、亡くなった功労者にも敬意を払った。

 ブラジルから県費留学生が最後に派遣されたのは1999年。技術研修生は毎年続いていた派遣が2007年で途絶え、その後はペルー、アルゼンチン、ブラジルの3カ国から1人という状況になっており、昨年2月に約1カ月の短期研修生として9年ぶりに実現していた。

 元県費留学生・技術研修生代表としてスピーチを担当した栢野エルザさん(3世)は「浜松医科大に1年間留学した。日本の文化や風習を学ぶことができ、帰伯後も色々な面で活躍できる。素晴らしい研修制度を残してほしい。日本を自分の目で見て心で感じてほしい」と元研修生代表として、制度の重要性を強調した。

 同県人会は元県費留学生・技術研修生として経験を積んだ2世以降の世代が中心となって運営しており、今後の県人会の発展・文化継承には、県費留学制度の再開が不可欠だと言える。原会長は「日本で本物の日本・静岡の文化を見せて、将来の県人会を支える人を育てたい。今やらなければならない」と先の世代を見据えた構想を実現させる意思を強調。式典に訪れた川勝知事らに同県人会の要望を懇願する機会にもなった。

 式典進行係を務めた川崎エレーナ玲子副会長も元県費留学生の一人。「静岡大学へ留学し、日本舞踊を通して文化を学ぶこともできた。今後の3世、4世にも経験してほしい」と次の世代に目を向ける。

 60周年の歴史を築いた同県人会は、更なる発展に向けて、将来を担う人材育成に尽力していく構えだ。

祝辞 静岡県知事 川勝 平太

【特集】静岡県人会創立60周年記念式典

 このたび、ブラジル静岡県人会が創立60周年を迎えますことを心からお慶び申し上げますとともに、海外からの移民を受け入れて、発展を続けるブラジル社会に対して、深く敬意を表します。

 日本とブラジルの移民の歴史を紐解きますと、1908年(明治41)年、神戸港を出港した笠戸丸はサントス港に入港し、日本から第1回の移民団が初めてブラジルの地に降り立ちました。その後、第二次世界大戦による国交断絶を経て、1952(昭和27)年に移民が再開されるなど、国際社会・経済の情勢に翻弄されながら、100年を越える歴史を刻んで参りました。その中には、「移民の父」として知られる静岡県出身の平野運平氏をはじめ、多く方々の御苦労があり、そうした先人達の意志を引き継いで、ブラジル静岡県人会をはじめとする皆様が各方面で御活躍されていることに大変感銘を受けております。

 移住から100年を越えた現在、世代は替わり、新しいアイデンティティをもつ日系ブラジル人が、多民族国家であるブラジルで大きな影響力を持つ存在になっております。

 現在、日本には日系をはじめ多くのブラジル人が働いていらっしゃいます。静岡県には、およそ2万5千人の方々が県民として生活を営み、更に新しい世代が生まれております。その中には、受験や学費などの不安を抱えながらも県内の大学への進学を果たし、大学でも優秀な成績を修めて卒業証書授与式では卒業生を代表して謝辞を述べ、その後、県内の有力企業に就職して同じ境遇をもつ子どもたちの「道しるべ」として活躍されている方がいらっしゃいます。静岡県内に住むブラジル人県民の皆様が、自らのアイデンティティに誇りを持ち、ますます御活躍できるような社会を目指して、取組を進めてまいります。

 今後、両国間相互の人的、経済的、文化的交流は、ますます深まっていくことと思いますが、創立60周年を迎えたブラジル静岡県人会が互いを結ぶ絆となり、両国の発展に貢献されることを期待しております。

 結びに、ブラジル静岡県人会のますますの御発展と会員の皆様の御健勝、御活躍を心からお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。

祝辞 静岡県議会議長 杉山 盛雄

【特集】静岡県人会創立60周年記念式典

 静岡県議会、第110代議長の杉山盛雄でございます。

 ブラジル静岡県人会が創立60周年を迎えられ、記念式典がこのように盛大に挙行されますことを心からお慶び申し上げますとともに、今日は盛大なる歓迎をいただき厚くお礼申し上げます。

 また、今回優良海外移住者及び高齢者表彰を受けられる皆様方に心からお祝い申し上げます。

 これまで、皆様方は長い歳月、母国よりはるか彼方のこのブラジル国において、大いなる希望を持って言葉や風俗習慣、気候風土の違いをのりこえられ、ご自分とブラジルの繁栄のために、また日本のためにも懸命の努力を傾けてこられました。

 今日では、その大変なご苦労が実り、広くブラジル国からも受け入れられ、皆様方を始め子孫の方々が、様々な分野でこの国の社会の発展のために尽くしておられることをお聞きし、深く感銘いたしますとともに、誠に心強く感じているところであります。

 経済、文化をはじめ、ブラジルと我が国日本、そして静岡県の結びつきは、今後ますます深まっていくものと確信しております。

 ブラジルと日本の双方を知る皆様は、これからの両国関係の一層の増進にとって大変重要な存在であり、友好の懸け橋として、引き続き御尽力賜りますよう御期待申し上げます。

 私どもも、限られた日程の中ではありますが、ブラジルの現況に対する理解を一層深めるよう努めていきたいと考えております。

 結びに当たり、ブラジル静岡県人会の限りない御発展と、会員の皆様の今後益々の御健勝、御活躍を祈念し、私の挨拶といたします。

ごあいさつ ブラジル静岡県人会会長 原 長門

【特集】静岡県人会創立60周年記念式典

 本日のブラジル静岡県人会創立60周年記念式典の開催に際し、母県から川勝平太知事様、杉山盛雄県議会議長様、ブラジル外務省代表ペドロ・ヤクビアン様をはじめ多くの方にご出席頂き光栄に存じます。

 我々は母県の協力、支援を賜りながら長年にわたり交流を深めてまいりました。県人会は1世から2世、3世へと世代が変わり、過渡期にあります。現在、県人子弟を県人会、日系社会のみならずブラジル社会に貢献できるような人材に育成することに努めております。この次世代の人達に母県の文化・習慣のみならず日本を理解してもらい、次世代のリーダーになってもらうには、県費留学生、技術研修生として母県で受け入れていただくことが最も重要だと考えております。

 現在、ブラジルの日系社会のリーダーの皆さんは日本への留学と研修制度で訪日した方々がほとんどです。彼らがブラジル社会の中で活躍できるのは、1世の皆さんがブラジルで普及した日本精神、文化がブラジル社会の中で日系人が信頼され尊敬される基盤となりました。我々も子孫にこの日本人の特性を伝承していくために、川勝知事様に県費留学、県費研修制度の重要性を再認識していただき、同制度の復活を検討し、決断していただくことを切にお願いする次第です。

 最後に、この記念式典を開催できたのは静岡県人会の諸先輩、役員、会員、協力者の皆様の努力のお陰です。なかでも実行員会の皆様には記念式典はじめ様々なイベントを開催するため昼夜を問わずご尽力いただきました。改めでお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 60周年おめでとうございます!

 

2017年9月2日付け

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