【特集:イグアス】祝 パラグアイ日本人移住80周年 祝 イグアス移住地入植55周年

祝 パラグアイ日本人移住80周年 祝 イグアス移住地入植55周年
日本人会館の外観

躍進する「最も若い」移住地 
次世代が牽引、さらなる発展目指して

 今年、日本人が入植してから80周年の節目の年を迎えたパラグアイ。同国の中でも1961年に入植が始まり、「最も若い移住地」と呼ばれるイグアス移住地は入植55周年の記念の年となる。8月22日の入植日には記念式典が開催されるほか、9月には皇族の眞子さまが同地を訪問されることも決まっており、その準備が着々と進められている。日本人会を中心に40代、50代の若い世代が移住地を牽引し、1世たちの思いを引き継ぎながら次の世代に向けて躍進を続ける。節目の年を機会に、同移住地ではパラグアイと日本とのさらなる友好関係強化と発展を目指している。なお、今回の特集ページ製作にあたっては、同移住地を拠点にパラグアイ、ブラジルなど南米で活動する澤村壱番さん(50、高知)の協力を得たことに心から感謝したい。(松本浩治記者)

◆採石場が大きな収入源環境配慮した育苗センターも所持

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日本人会が維持管理する採石場
 社団法人イグアス日本人会(比嘉正勝会長)は入植当時に自治会として創立し、1980年4月に日本人会として正式登録されている。

 昨年4月に就任した比嘉会長(51、沖縄)によると、現在の日本人会の会員は180家族850人で、非会員が40人ほどいるという。また、移住地そのものの総面積は約8万7700ヘクタールもあり、農地面積は約6万ヘクタール。総人口は1万2700人でパラグアイ人が大半を占めるが、ブラジル人、ドイツ・スイス人も合わせて約2000人が住んでいる。

 日本人会の活動は日本語学校、病院をはじめ、野球、バレーボール、サッカー、テニス、卓球などの各種クラブや愛好会の管理運営が主体だ。世界的観光地の「イグアスの滝」から約40キロとほど近く、シウダー・デル・エステと首都アスンシオンを結ぶ国道7号線沿いという好立地条件にありながら「治安が良い」という大きな特徴がある。

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環境面を配慮した育苗センターも所持
 さらに、同日本人会が採石場を維持管理していることが大きな収入源となっており、移住地内の道路は砕石場から運ばれた石が敷き詰められ、一部コンクリート舗装も行われているなどインフラ環境が整っている。そのほか、環境面を配慮した植樹用の育苗センターも所持していることが、他の日本人会には無いアピールにつながっている。

 会員の約80%が大豆、小麦、トウモロコシなどの農業生産を行っている中、移住地内には従来まではシウダー・デル・エステまで行かなければならなかった銀行が5年ほど前から国道42キロ地点に設置され、年々生活は豊かで便利になっている。

 比嘉会長によると、移住地内にある日本人会及び農協の役員たちは40代から50代の同世代がほとんどだという。そのため、「小さい時からの同級生が多く、互いに協力もできるし、言いたいことも直接言い合える間柄」だそうだ。

 「私は1世ですが、ほとんど2世としての思いの方が強く、パラグアイ人とも直接商売ができる世代です。昔は肥料を買うにも組合を通すことが当たり前でしたが、今では自由にできる時代になりました」とイグアス移住地も新しい世代に移り変わりつつある。

 比嘉会長は昨年まで150町歩の土地に大豆などを生産してきたが、大豆は昨年から収量の割りに値段が良くないとし、自身の土地を貸している。また、国道42キロ地点沿いに「MIRAI」と呼ばれる農業機械・部品販売会社を計7人の共同経営者と開いたほか、警備会社も経営するなど実業家としての一面も持っている。

 今後の日本人会の方向性について比嘉会長は「昔は日本人同士が会員として力を合わせないとやっていけなかったが、今は日本人会に入らなくてもそれぞれに生活できるようになってきた。そうした中で会員の意識をどう変えていくかが重要で、日本人会の活動を非会員に理解してもらえれば協力してもらえるようになってきた。日本に出稼ぎに行き、帰って来た人たちが純粋な日本文化を持ち込み、また大学などで都市部に行っていた人たちが移住地に戻ってくるなど、新しい動きも出てきている。日本人会は非営利の団体だが、スポーツや文化面に力を入れ、会員が使える施設を充実させていきたい」と意気込みを見せる。

◆施設充実、豊かな環境の病院

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国道7号線沿いにある「COLONIA YGUAZU」の文字(写真は澤村壱番さん提供)
 澤村さんの案内でイグアス日本人会が管理運営している病院を見学させてもらう。病院内には、日本語学校の高等部教師もしていた澤村さんの卒業生たちが看護師や受付の職員として働いていた。

 病院には日系とキューバ人の総合医2人が常駐し、歯科、耳鼻科、整形外科、産婦人科などの専門医がシウダー・デル・エステから週1回、定期的に足を運んでいる。看護師は15人ほどおり、そのうち日系看護師が6人いることから言葉の面でも問題ない。また、手術室、レントゲン室もあり、入院できる部屋も7床ある。さらに、集中治療室や高齢者を対象にしたデイケアサービスやリハビリ療法も行っており、充実した内容となっている。

 そのほか病院の敷地には桜の花が所狭しと植えられており、桜の樹の間を縫ってパークゴルフのコースもある。7月下旬頃には桜の花が満開に咲いており、豊かな環境に囲まれている。  

2016年8月19日付

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