【移民110周年特集】パラナ移民110周年式典 7月20日にマリンガで開催

【移民110周年】パラナ移民110周年式典 7月20日にマリンガで開催
原始林を開拓する様子

 パラナ州110周年記念式典が、7月19日から22日まで同州マリンガ市で開催される。7月20日午後6時半には「移民110周年記念式典(西森ルイス祭典委員長)」が行われ、地元では同市訪問予定の眞子さまが参加されることを熱望している。期待の高まるパラナ州の日本人移住史について、開催地を中心としたパラナ州北部の歴史を振り返る。

◆北パラナ移住初期

 北パラナとは、ロンドリーナ、マリンガを中心としたパラナ州北西部で、日系人口が集中している地域のことを言う。

 1910年代、サンパウロ(聖)州で農場主だったアントニオ・バルボーザ氏は、聖州でコーヒーを栽培することに限界を感じ、新しい土地を求めて北パラナに目をつけた。当時は道路網がなかっため、10年代から20年代ごろまで、ソロカバナ線オウリーニョス駅からカンバラ駅まで、バルボーザ一族の資本によって鉄道が敷設された。その後、経済的な問題で27年に北パラナ土地株式会社が経営を引き継ぎ、ロンドリーナやマリンガまで敷設工事は進んでいった。

 『パラナ州の日本人』などによれば、日本人のパラナ州北部への移住は、農場主の後を追う形で13年に聖州から南下してきたのが始まりだという。『パラナ 日系60年史』などには、14年ごろには上野米蔵氏ら30家族がバルボーザ農場にコロノ(雇用農)として入植し、17年には小土地所有者シチアンテの集団も現れ、ビラ・ジャポネーザ植民地などと称したとある。また、23年には日本人の雑貨・食品店もカンバラの町に出現。さらに、21年には日語小学校もできたという。


 

◆北パラナの発展

 北パラナ鉄道が、前述した英国シンジケートの北パラナ土地株式会社によってロンドリーナへ伸びていくと30年3月、代理人の氏原彦馬氏に連れられて、第1回視察団として11人が、カンバラからロンドリーナへトラックで乗りつけた。そして31年には、第1回入植者3家族が移住。続いて、氏原氏が日本人視察者のために肥沃な土地を選び、彼らを満足させたことなどで日本人入植者は続々とこの地に集まり、やがてコーヒー栽培を主とした独立農になっていった。

◆マリンガの歩み

【移民110周年】パラナ移民110周年式典 7月20日にマリンガで開催
初期のACEMA会館(『マリンガ文化体育協会三十年記念誌』より)

 パラナ州第3の都市、マリンガ。北パラナ土地会社が30年代から売り出した都市で、中心地ロンドリーナからの距離は約100キロ。その歴史を知り、33年に6歳で移住した植田憲司さん(90、福島)によると、「その間は全部コーヒー園で、奥地は原始林だった」という。それでも、原始林のうちに800アルケールの都市計画が作られ、街路も既に設定されていたそうだ。

 当時のマリンガは、奥地との間を行き来するトラックが日に100台通ったという開拓前線だった。材木を下ろす場所だった新市街地は10年のうちに線路が除かれ、開けていった。71年に完成した市中心のカテドラル(大聖堂)は、高さ124メートル。今では市を象徴する存在となっている。植田さんが51年に移り住んだ当時1万人だった人口は、現在約36万人。町の面積は800から1500アルケールに拡大し、今も広がり続けている。「こんなに大きくなるとはね。周囲がコーヒー園だったなんて今では考えられないですよ」と植田さんは語る。

 そのマリンガの周囲には、植田さんが来る前から多くの日本人が住んでいた。日本人移住は38年から40年にかけて本格化し、50年代には人口が大幅に増加。60年代には数百家族になったという。

 47年6月18日には、マリンガ文化体育協会(ACEMA)が創設。当初は市中心部に会館が造られたが、70年代初期に将来を見据えて会館を拡大させる計画が立てられた。多くの反対があったものの、80年には新会館が設立され、定礎式には皇太子同妃殿下(現天皇皇后両陛下)のご臨席の下で行われた。

【移民110周年】パラナ移民110周年式典 7月20日にマリンガで開催
植田憲司さん(2018年6月8日撮影)

 姉妹都市、兵庫県加古川市との交流事業も活発だ。青年の相互派遣やゲートボールをはじめとする各種団体の訪問など、現在も親密な交流が行われている。近年では、2014年に完成した日本庭園に加古川市が瓦を寄付し、使用されている。

 同市で長く世話役を務める安永修道さん(67、3世)は「日系団体の団結力が強いことがマリンガの強み」と強調。今なお、日系人のつながりは強く続いている。(参考・『移民四〇年史』、『移民の生活の歴史 ブラジル日系人の歩んだ道』)

次>周年事業の総予算はR$350万 パラナ全土から集まる貴重な機会

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