【2018年新春特集】平成時代締め括りの年 課題が山積みの日本

平成時代締め括りの年 課題が山積みの日本
皇室御一家(御所にて)【写真提供:宮内庁】
平成時代締め括りの年 課題が山積みの日本
宮殿波の間にて【写真提供:宮内庁】

 来年の3月で平成の御代が終わる。今年8月には新元号も決まり、実質的な平成時代に幕が下りる。今年は平成時代を締め括り、新たな新元号時代を迎える準備期間といえる。希望に満ちた新時代を迎えるには、今年は重要な年である。

◆平穏ではなかった 平成の幕開け

 昭和から平成に変わった1989年の日本は、リクルート事件で政界が大揺れだった。自民党政権は国民の批判の的になり、自民党は年内の参議院選挙、翌年の衆議院選挙で敗北、社会党が大躍進する波乱の年になった。

 天才歌手と謳われた美空ひばりが世を去ったのもこの年で、秋篠宮殿下が川嶋紀子さんと婚約を発表された年でもあった。プロ野球は巨人軍の全盛時代で、この年も巨人が優勝した。

 1年遡って昭和最後の88年は、どんな話題があったのか。国民が等しく渋面になった消費税導入がこの年だった。明るい話題では青函トンネルの開通、名古屋市と開催を争ったソウル市での五輪開催がある。変わったところでは、未解決だった3億円強奪事件の民事が時効になり、解決の目途は永遠になくなってしまった。

◆平成最後の年も波乱の予感

 30年前の政界はリクルート事件で揺れていたが、今の政界は「モリ・カケ疑惑」に揺れている。新たにスパコン製作業者の不正補助金問題も浮上し、政権中枢にまで飛び火しそうである。「もり、かけの蕎麦にスパゲティまで加わった」と揶揄され、年明け早々にも動きが出てくる可能性もある。

 2020年の東京五輪に向け、施設の整備なども活発化している。しかし、施設を建設する労働者が不足し、その上建設費の見積りが杜撰で高すぎると批判を受け、予算が縮小されてしまった。このままだと競技場の建設は難航しそうな気配だ。

 労働者不足でも分かるように日本は、急速な高齢化社会の出現と人口減に見舞われている。総務省の調べによると、年間30万人超の人口減に陥っている。14歳以下の人口は全体の12・7%で、逆に65歳以上の人口は27・2%を占めるようになった。人口減対策と高齢者対策は待ったなしの大きな課題になってきた。

 もう一つ大きな問題が浮上している。東京五輪、大阪万博に象徴される高度経済成長時代に建設された鉄道、道路、港湾、下水道などの社会資本が急速に老朽化、耐用年数が近づきつつあることだ。道路の陥没事故、鉄道の人身事故、トンネルの崩落事故などメンテナスが喫緊の課題になっている。経済成長が止まった今の日本に、老朽化を克服する余力があるのかどうか。今年は日本の底力が試される年になる。

◆観光立国政策は順調に推移

 日本を訪れる観光客はうなぎ登りである。年間2000万人を超えるまでになった。政府は、20年の五輪年には4000万人の観光客を誘致する計画だ。そのためのインフラ整備を進め、北海道新幹線の開通、東京・新宿に大規模な高速バスターミナルを建造、LCC(低運賃航空)用空港ターミナルの整備・充実、ビザの緩和などを行い、旅行客の利便性向上に力を入れている。

 観光客の消費額は4兆円(16年)近くを記録しており、政府の目算通り、経済成長要因の一つになってきた。今年も観光客は大きく伸び、日本経済に寄与しそうである。

 観光客の増加で早急に対策が必要な事項がある。その第一は宿泊所不足である。政府は民泊で乗り切ろうとしているが、その準備は始まったばかりだ。

 その他、外国人観光客が改善を要求しているのは(1)海外諸都市に比べ東京は無料Wi―Fiの環境作りが遅れている(2)各種標識が多言語で表示されていない(3)従業員の語学力不足で意思疎通がうまくいかない(4)公共交通の利用が難しい──などである。

 観光立国を目指す日本としては課題解決に今年あたりから本腰を入れないと、五輪は待ったなしでやってくる。

2018年1月1日付け

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