【2018年新春特集】2018サッカーW杯 初めてのロシア大会が開催 日系のルーツを持つ選手たち

2018サッカーW杯
ファブリシオ・オヤ選手(右、コリンチャンス広報部提供写真)
スタジアム一覧(イメージ)

 2014年のサッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会から早や4年、本年はワールドカップ・イヤー(年)となる。本大会出場国32カ国で、出場権獲得一番乗りはブラジル。南米王者のチリが予選落ちするほど熾烈(しれつ)な南米予選で、4試合を残しての突破は圧巻だった。日本も1試合を残して3番目の早さで本大会出場を決めた。近年はFIFAの不正問題などで揺れ動くサッカー界だが、W杯も2026年大会から出場国数を48カ国に増やすことを口頭合意しており、必然的に日程が拡大されることで、選手を抱える各国クラブが悲鳴を上げている近況もある。ロシアで開催される本大会では、どんな波乱があるのか、開幕が待ち遠しい人も多いのでは。本頁ではW杯の一味違った見方を紹介したい。

 W杯は、選手が自身の母国を背負って闘うスポーツ界最大規模の大会。中には、自身のルーツに思いを馳せながら闘う選手もいる。前回大会の開幕戦、サンパウロ(聖)市コリンチャンス区のアレーナ・コリンチャンスで行われたブラジル対クロアチアの一戦で、ブラジルからクロアチアに帰化し、母国開催のW杯に出場を果たしたエドゥアルド・ダ・シルバ(現アトレティコ・パラナエンセ)が涙を流しながら母国であるブラジルの国歌を歌っている姿は印象的だった。また、ブラジル出身のFWジエゴ・コスタ(現チェルシーFC)が帰化してスペイン代表のストライカーとして出場し、大ブーイングを浴びる光景も際立った。各国選手が自身のルーツに向き合う場ともなるW杯、今回は日系のルーツを持つサッカー選手に目を向け、紹介していく。

 まず、日系のルーツを持つ選手で、現在一番活躍している選手は、イングランド・プレミアリーグ1部の強豪マンチェスター・シティで司令塔を務めるスペイン代表のダビド・シルバだ。カナリア諸島出身のシルバは、母親が日系人。日本とも縁がある同地域には、日本の遠洋漁業基地があり、カナリア諸島テルデ市にあるヒロシマ・ナガサキ広場には、日本の「憲法9条」がスペイン語で刻まれた石碑が佇んでいるという。2011年、日本の報道の中で、シルバは「アジアは母のルーツだから、僕にはほんのわずかだけどアジアの血が流れている。まだ幼かった頃、日本人の血を引く母は、日本の文化とライフスタイルについて話してくれた」と語っている。

 伯国内で、日系人の代表的な選手はロドリゴ・タバタ(3世)が挙げられる。さらに、ブラジル日系社会が3世、4世の時代に入り、各年代(ユース年代)でセレソン(ブラジル代表)のシャツに袖を通した経験を持つ日系人が数人出てきているので紹介したい。

◆コリチーバ(パラナ州クリチバ市)U17(17歳以下)に所属するガブリエル・カズ・ホッサト・ヤナグ(18)はサイドバック(DF)を主戦場とし、数回ブラジル世代別代表に選出されている。

◆アトレチコ・パラナエンセ(パラナ州クリチバ市)U17所属の、鈴木ジュリアン・ヨウイチ選手(18)は、12歳まで日本の茨城県を本拠地とする鹿島アントラーズのジュニアチームに所属しており、日本語も堪能な選手だ。チーム内部では高い技術でトップチーム昇格も検討されているという。

◆コリンチャンス(聖市)U17に所属するファブリシオ・オヤ(17、沖縄系4世)選手は既にコリンチャンスとプロ契約を交わしており、ブラジルU18代表チームへの選出歴もある将来有望な選手だ。

 ブラジル全国選手権所属クラブのジュニアチーム(12歳以下)にいる選手も数人いる。また、ジョアン・ネト(沖縄県系)は、コリンチャンスU11所属時に才能を買われ、ポルトガルリーグ1部のSCブラガU15に引き抜かれた選手など、日系のルーツを持つサッカー選手・金の卵たちが出てきている。何大会か後、ブラジル代表として、ワールドカップで日系人が活躍する姿を見られる日が来るかもしれない。

モスクワのクレムリンと赤の広場

本大会出場32カ国一覧(出場回数)

◆南米(出場枠4.5カ国)
・ブラジル(21大会連続21回目)
・ウルグアイ(3大会連続13回目)
・アルゼンチン(12大会連続17回目)
・コロンビア(2大会連続6回目)
・ペルー(9大会ぶり5回目)
◆ヨーロッパ(出場枠13+1(開催国ロシア))
・ロシア(2大会連続11回目)
・ベルギー(2大会連続13回目)
・ドイツ(17大会連続19回目)
・イングランド(6大会連続15回目)
・スペイン(11会連続15回目)
・ポーランド(3大会ぶり8回目)
・アイスランド(初出場)
・セルビア(2大会ぶり12回目)
・フランス(6大会連続15回目)
・ポルトガル(5大会連続7回目)
・スイス(4大会連続11回目)
・クロアチア(2大会連続5回目)
・スウェーデン(3大会ぶり12回目)
・デンマーク(2大会ぶり5回目)
◆アジア(出場枠4.5カ国)
・日本(6大会連続6回目)
・サウジアラビア(3大会ぶり5回目)
・イラン(2大会連続5回目)
・韓国(9大会連続10回目)
・オーストラリア(4大会連続5回目)
◆北中米・カリブ海(出場枠3.5)
・メキシコ(7大会連続16回目)
・コスタリカ(2大会連続5回目)
・パナマ(初出場)
◆アフリカ(出場枠5)
・エジプト(7大会ぶり3回目)
・ナイジェリア(3大会連続6回目)
・セネガル(4大会ぶり2回目)
・チュニジア(3大会ぶり5回目)
・モロッコ(5大会ぶり5回目)

2018年1月1日付け

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