ふるさと巡りパラナ州西部を行く④ 下坂氏と相沢氏、58年ぶりの再会

ふるさと巡りパラナ州西部を行く④ 下坂氏と相沢氏、58年ぶりの再会
下坂さん(左)と従兄弟の興津正治さん

 ウムアラマ市では、ふるさと巡りツアー参加者の下坂匡(ただし)さん(79、福島)と同市に住む相沢勇さん(76、2世)が、58年ぶりの再会を果たした。

 1956年に家族とブラジルに移住した下坂さんは、サンパウロ州カフェランジア市のコーヒーの大農園に入り、ポルトガル語をはじめブラジルで農業を行う上で必要な知識を学んだ。

 ブラジルに来て右も左も分からない頃、下坂さん一家が世話になったのがこのコーヒー農園を経営する相沢家だった。当時18歳だった下坂さんと年齢の近かった相沢さんの2人は一緒に野球をする仲になり、野球大会に出場するまでになったという。

 やがて1年7カ月の契約期間が終わり、下坂さん一家はサンパウロ州奥地のジャーレスに入植。下坂さんは74年からセラード開発事業に携わった。「パトロン(相沢家)を抜けるようなコーヒー園を作ることが恩返し」。そう思い下坂さんは、コーヒー栽培に全精力を捧げ、一代で大農場を築き上げた。

 「今回のふるさと巡りは勇さんに会うために参加した」と下坂さんは話す。2人の再会の橋渡し役となったのは、ジャーレス時代からの下坂さんの友人で、現在ウムアラマ市に住む佐々木雄彦さん(80、秋田)。同市に40年住む佐々木さんは、薬草を販売して生計を立てている。

 約5年前に、同市でパン屋を営む相沢さんと佐々木さんが何気なく話していた時、下坂さんという共通の知人がいることが発覚したという。

 下坂さんは「匡のことをよう知ってる勇がウムアラマにおる」という話を佐々木さんから聞き、相沢さんにもう一度会う機会を楽しみにしていた。

 相沢さんとの再会を待ち望んで同市に足を運んだ下坂さんは、午前中にホテルのロビーに来た相沢さんを見て呆然としたという。「あの頃の勇さんとはまるっきり変わっていた」と、58年ぶりに再会した相沢さんの印象を語った。2人は、一緒にした野球のエピソードやカフェランジアの野球大会で優勝したことなど、思い出話に花を咲かせたそうだ。

 その後、下坂さんは相沢さんが経営するパン屋「CAIUA PÃES E DOCES」を見に行った。「24時間営業で、従業員も18人雇っている立派なパン屋。色々苦労して来られたようだけど、今は成功しているようで嬉しい」と、同市で活躍する相沢さんの成功を下坂さんは喜んだ。(つづく)

2016年10月26日付

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