またも鉱山ダム決壊 死者60人、不明者292人に

またも鉱山ダム決壊 死者60人、不明者292人に
泥流に飲み込まれた町の様子(写真提供/大統領府)

 ブラジル南東部ミナス・ジェライス州の町、ブルマヂーニョで25日、同国の資源開発大手ヴァーレ社(Vale S.A.)が所有する鉱山のダムが決壊し、そこから流れ出た有害物質を含んでいるおそれのある大量の泥流が近隣の民家などを飲み込んだ。同社のファビオ・シュヴァルツマンCEO(最高経営責任者)によれば、ダムの決壊によって1200万立方メートル(東京ドーム約9.7個分)もの尾鉱(びこう、品位の高い鉱物を取り出した後に残った不要物)が流出した。

 28日午前11時すぎの報道によると、これまでに近隣住民や同社の従業員など60人の死亡が確認された。ただし、この時点で行方不明者は292人に上っており、消防隊員ら、そして27日夜に同州入りしたイスラエル軍兵士らによる懸命の救出・捜索活動は続いているものの、死亡者数は今後さらに増える可能性がある。

 ミナス・ジェライス州内では2015年にもヴァーレ社が関係する鉱山のダムが決壊している。この事故では今回の4倍以上、5000万立方メートルもの尾鉱が流出、激しい泥流となって近隣の町を襲い、19人が死亡、自然環境が甚大なダメージを被った。

 ラケル・ドッジ検事総長は28日、今回のダム決壊による環境被害および、刑事上、民事上、行政上の責任について調べを進めるために、ミナス・ジェライス州内において連邦検察庁のタスクフォースを編成したと明かした。検事総長は「ダムの管理責任者である企業の幹部らが(ダム決壊事故の)責任を負うことになるかもしれない」「会社の幹部らも罰せられる可能性がある」と述べ、今後、ヴァーレ社幹部の責任を追及する構えを見せた。

 ミナス・ジェライス州政府と検察当局の要請により、同州の裁判所は26日までに、被害を受けた自然環境の回復並びに被害者らに対する損害賠償の資金を確保することを目的に、ヴァーレ社の資金110億レアル(約3300億円)を凍結すると決定した。また、今回のダム決壊でヴァーレ社は、現時点でブラジル環境・再生可能天然資源院(Ibama)から2億5000万レアル(約75億円)、ミナス・ジェライス州政府から9900万レアル(約29億円)の罰金を科されている。

 なお、この事故に乗じて利益を得ようとたくらむ「ろくでなし」が早くも金集めに動いているようだ。ミナス・ジェライス州軍警察の報道官、フラヴィオ・サンチアゴ少佐は27日、ダム決壊の被害者らのための義援金と偽って募金するよう促す動きがインターネット上で見られると、市民らに注意を呼びかけた。

 報道官によれば、銀行口座を明記した上で、その口座へ義援金を振り込むよう要請する複数のメッセージがインターネット上で出回っているが、それらはすべて公式なものではない。義援金の振込先として唯一、公式に設置されるのは、連邦貯蓄銀行(Caixa Economica Federal)が28日に開設するものだけだ。

2019年1月28日付

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