キューバ社会の現状 立ち上げに苦戦するJICA 結社の制限など特殊な環境下で

キューバ社会の現状 立ち上げに苦戦するJICA 結社の制限など特殊な環境下で
革命博物館内ではためくキューバ国旗
キューバ社会の現状 立ち上げに苦戦するJICA 結社の制限など特殊な環境下で
JICAの小澤代表

 社会主義国家のキューバでは、JICAが援助機関としての現地法人立ち上げに苦戦しており、現在は在キューバ日本国大使館の傘下の位置づけとして最終調整に入っている。JICAを通じて数多くの技術研修員を日本に輩出してきたが、結社の自由が制限されているため帰国研修員の同窓会を作れないなど、特殊な環境下に置かれている。キューバ国内情勢や、社会主義国家での生活事情なども含めて、JICAの小澤正司代表(55、奈良)に話を聞いた。

◆キューバでの実績
 JICAによるキューバからの日本への技術研修員受け入れが始まったのは、1960年。2016年までに送り出した人数は545人に上る。日本とは別に、第3国への研修員派遣も350人に上る。キューバへの日本人専門家派遣も1990年から実施され、2016年まで282人が派遣された。

 1997年、ペルー大使公邸襲撃事件発生で、キューバがペルーからテロリストの亡命受け入れを発表し、事件解決に尽力したことも、日本側からの援助件数が増加した一因だという。実際に技術研修員の数は、同年頃から各段に伸びており、日本への研修受け入れも活発になった。ピーク時の研修員数は、2005年前後に年間、日本へ約 人、第3国へ約 人を数える。

◆社会主義の壁

 社会主義国家キューバでは、結社の自由が制限され、帰国研修員の同窓会を作ることができず、次世代や経験者間の情報の共有・引き継ぎが難しい。小澤代表は「現地の日本人会を作ることもできないため、横のつながりを形成するのも難しい国です」と語る。

 小澤代表は「JICAとしても現役の社会主義国家の開発を応援するのは初めてで、(アメリカの影響もあって)社会主義国家を支援することの理解を得るのが日本では難しい部分もある」と状況を語るが、同時にキューバの特殊性も強調する。小澤代表は「先進国でも達成が難しい国連の持続可能な開発目標(SDGs)の多くを既にクリアしている特殊な国」とし、国際社会からキューバへの視線について「第3世界・非同盟諸国においては、自主独立の雄として人気が高い国。アメリカにも負けず、国民の平等を体現させた立派な国だと定評がある」とキューバを見つめる。

 JICAはキューバでの事務所開設に向けて、 年 月からスタートを切った。以前はJICAメキシコ事務所がキューバを兼轄していた。キューバでは1国1公的機関(大使館)しか認められないため、JICAも交渉のために約2年を要した。小澤代表は「単独で認可されるよう何度も交渉したが、最終的に大使館傘下として調整することで(昨年) 月後半に話が固まった」と話し
、残るのは大使館傘下ではあるものの、JICAが独自にできる手続きがどこからどこまでかなど、双方の権限の線引きなどの調整・確認だという。独立行政法人だけに、最終調整には必須項目となるだろう。

2018年2月3日付

コメント0

コメントを書く

Login

Welcome! Login in to your account

Remember me Lost your password?

Lost Password