サッカーW杯 日本史上初の8強進出ならず 伯国との歴史的一戦は夢に消え

サッカーW杯 日本史上初の8強進出ならず 伯国との歴史的一戦は夢に消え
追加点に湧き上がる日本サポーター(2日、岩手県人会館で)

サポーター「残念でならない」

 サッカー・ワールドカップ2018ロシア大会の決勝トーナメント(決勝T)1回戦が6月30日から行われ、今月2日にブラジルはメキシコと、日本はベルギーとそれぞれ対戦した。日本は6度目のW杯出場にして初の準々決勝、ベスト8進出を目指したが、またしても世界の壁を痛感することとなった。勝てば日伯戦が実現する注目の日本対ベルギー戦は、サンパウロ市リベルダーデ区の岩手県人会館でパブリック・ビューイング(PV)が行われ、集まったサポーターが歴史的勝利を信じて声援を送り続けた。

 日本サッカー界にとって、W杯8強進出は悲願の目標だった。1993年にJリーグが発足し、サッカー人気が加速する最中、翌94年に控えるW杯アメリカ大会出場をかけたアジア最終予選で後半ロスタイムに失点し、「ドーハの悲劇」と言われる屈辱を味わい、日本人の多くがW杯への厳しい道のりを痛感した。4年後の98年フランス大会出場をかけた同最終予選では延長戦の末に激闘を制し、「ジョホールバルの歓喜」として初出場を決めた。本大会ではグループリーグ(GL)で3戦全敗を喫し、世界を前に全く歯が立たずに終幕を迎えた。

 2002年、日本と韓国共催となった日韓大会で、開催国として奮闘し、初の決勝T進出を果たすも、同大会で3位と健闘したトルコに惜敗した。06年ドイツ大会にはGLで日本W杯史上初の日伯戦が実現したが、1―4と大敗してGL敗退となった。10年南アフリカ大会ではGLを突破し、決勝Tに進むが南米の強豪パラグアイ相手にPK戦の末に敗れ、前回の14年ブラジル大会でも、南米のコロンビアに惨敗するなどGLで敗退。過去20年以上にわたって、世界の厚い壁を感じてきた。

 今回、GLではコロンビア戦でアジア勢初となる南米勢撃破を演じ、下馬評を覆して3度目となる決勝Tに進出。国際舞台での経験を重ね、W杯で存分に戦う力を培った日本代表の快進撃が光った。

 露国ロストフ州ロストフ・ナ・ドヌの会場で行われた決勝T1回戦、強豪ベルギー戦では、岩手県人会館のPVに集まった約60人のサポーターが日本代表の歴史的勝利を願って声援を送った。

 前半はベルギーの猛攻に遭い、耐え凌ぐ時間が続いたが、日本も細かいパスからの大きな展開で、攻撃の形は見えていた。後半3分、カウンターから原口元気が先制点を決め、同7分には相手のプレッシャーが遅れたのを乾貴士が見逃さずに右足を一閃。2点のリードを奪う展開に、同会館では「勝てる。上に行ける」という雰囲気が漂い始める。しかし、同24、28分と立て続けに失点し、試合は振り出しに。日本が苦手とする空中戦での失点で、高さを重視したベルギーの交代策が当たってしまう。その後、後半アディショナルタイムにカウンターから決勝弾を決められ、2―3で惜敗。後半アディショナルタイムに失点する悪夢のような展開で、力量ではない力負けで終幕。8強進出、日伯戦は夢に消えた。決勝Tで2点差からの逆転劇は48年ぶりの出来事となり、「ロストフ・ナ・ドヌの悲劇」の様相を醸し出す。

 今大会の日本代表をジャパン・ハウス、同会館のPVで応援した和田エリーザさん(55、2世)は「残念でならない。ブラジルと日本の試合が見たかった。(日本代表は)前よりずっと強くなった。一生懸命応援したし、決勝まで行くと信じていた」と無念の想いを滲ませ、鈴木徹さん(55、神奈川)は「めちゃくちゃ残念。(過去の日本代表より)格段に良くなっている」と日本代表を労った。

 試合後に、日本代表の西野朗監督は、言葉に詰まりつつ、「(世界との差は)全てだと思うが、わずかだと思う。この壁っていうのはまだ厚いのかもしれない」と語り、手応えとは違う現実を掴んでいた。

2018年7月4日付

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