ジルマ・テメル氏当選無効の訴え 選挙高等裁判所で6日から審理=14年大統領選

ジルマ・テメル氏当選無効の訴え 選挙高等裁判所で6日から審理=14年大統領選
テメル大統領。世界環境デーの5日に開かれたセレモニーで(Fotos: Beto Barata/PR)

 選挙高等裁判所(ジルマール・メンデス長官)で6日午前から、2014年の大統領選挙で当選したジルマ前大統領(PT=労働者党)とテメル大統領(PMDB=ブラジル民主運動党)の候補者名簿(シャッパ)の剥奪を求めるブラジル民主社会党(PSDB)の訴えの審理が行われる。審理は3日間行われる予定。国内メディアの報道によれば、高裁判事が再検討を求める事で審理が延期される可能性や、同シャッパを無効とする判断が示された場合でもテメル大統領側が上訴する可能性などが挙げられている。一方、テメル大統領が現在、食肉大手JBS社幹部の司法取引証言に基づき汚職や司法妨害などの疑いで連邦最高裁判所の捜査対象となっていることが選挙高裁の審理に影響を及ぼす可能性も指摘されている。

 今回審理される4つの訴えは、14年の大統領選後、選挙で敗れたネベス上議が党首を務めるPSDBから起こされたもの。訴えではジルマ氏を正大統領、テメル氏を副大統領としたシャッパの選挙運動について、未申告の選挙資金口座を通じて国営石油ペトロブラスに関連した汚職で恩恵を受けた企業から不正に寄付を受けたと主張している。

 ジルマ、テメル両氏とも訴えの内容を否定している。今年5月には、選挙検察庁のディーノ副長官が選挙高裁に対し、ジルマ氏(弾劾により昨年8月に失職)の8年間の被選挙権停止と、テメル氏(ジルマ氏失職に伴い大統領に就任)の任期剥奪を求める意見書を送付したと報じられている。

 同訴えに関する選挙高裁での審理は今年4月に始まったが、新たな証人からの聞き取りを行うことが認められたことを受けて延期されていた。

 6日からの審理では、報告官のベンジャミン判事による意見書読み上げ、訴えた側と弁護側、検察による意見陳述が行われ、ベンジャミン判事から投票が行われる。投票の際、7人のうちいずれかの判事が再検討の時間を求めた場合、審理は中断、延期される。

 判事投票の結果、テメル大統領の任期を剥奪する判断が示された場合でも、大統領側は選挙高裁、最高裁へ上訴する可能性があると報じられている。任期剥奪の判断が最終的に確定した場合、マイア下院議長が大統領に就任し、同氏により、上下両院議員の投票によって残り任期の大統領を選出するための間接選挙が召集されることになる。

 野党議員の側からは、間接ではなく直接選挙による新大統領選出を求める声も出ている。現在、直接選挙を可能にする憲法修正法案が上院で審議されている。

ジルマ・テメル氏当選無効の訴え
サンパウロ市で4日に開かれた大統領直接選挙を求める集会(Foto: Paulo Pinto/AGPT)
 また、4日にはサンパウロ市ラルゴ・ダ・バタタ広場で、直接選挙実施を求める集会が実施された。労働者団体や社会運動団体、学生団体などの呼びかけにより、音楽アーティストのショーもまじえて行われ、主催者発表では約10万人が訪れたという。

ロウレス元下議を拘束 JBSから資金受け取りの疑い

 テメル大統領は現在、司法妨害、収賄、犯罪組織形成の疑いで連邦最高裁判所の捜査対象となっている。大統領に対する捜査は、最高裁でペトロブラスに関連した汚職捜査「ラバ・ジャット作戦」案件の報告官を務めるファキン判事が連邦検察庁の要請に応じて許可したもので、ラバ・ジャット作戦を含む汚職捜査で捜査対象となっている食肉大手JBS社の幹部らによる司法取引証言に基づいている。先月30日には同判事により、連邦警察が大統領に書面で証言を求めることが許可された。大統領は疑いを全面的に否定している。

 先月17日、JBSオーナーのジョエズレイ・バチスタ氏が今年3月に録音した大統領との会話内容が報じられたことがきっかけとなり、疑惑が浮上した。証言によれば、ペトロブラス汚職捜査で逮捕、勾留されているクーニャ元下院議長が証言を行わないようにする目的でバチスタ氏が資金提供を行っていると話した際、大統領がバチスタ氏に対し、その行動を継続する必要性に言及したととれる発言をしたとされる。

 このほか、2氏の会話では、JBSの親会社J&Fグループ傘下の企業が行政との間に抱える案件について、仲介役として大統領が元特別補佐官のロドリゴ・ロシャ・ロウレス下議(当時)の名前を挙げたとされる。ロウレス氏はその後、サンパウロ市内で、JBS側が用意したとされる50万レアルの入った鞄を運んでいる様子が連邦警察により撮影されている。

 ファキン判事は連邦検察庁の要請を受け、大統領と同様の疑いでロウレス氏に対する捜査開始を許可し、同氏の議員資格停止を決定。連邦警察は3日朝、ブラジリアの自宅でロウレス氏に対する予防勾留令状を執行した。同氏の予防勾留許可は連邦検察庁がファキン判事に要請していた。

 PMDB所属の補欠下議だったロウレス氏は、同州のセラーリオ下議の法相就任に伴って下議を務めていたが、セラーリオ氏が法相を辞任し、1日に下議へ復帰したことに伴って補欠に戻り、国会議員が持つ司法上の特権はなくなっていた。ロウレス氏は7日に連邦警察から連邦直轄区のパプーダ刑務所へ移される見通しと報じられている。

2017年6月6日付

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