デング熱による死者急増 大半は高齢の患者

デング熱ウイルスを媒介するネッタイシマカ(Foto: Arquivo Wikipedia)

カタンドゥーバ市で23人死亡

 厚生省は4日、今年に入ってからのサンパウロ州内におけるデング熱ウイルスの感染者数が22万人に、死者数が169人に達したことを発表した。これにより死者141人を記録した2010年以来、5年ぶりにワースト記録を更新したことになる。また、このうち130人についてフォーリャ紙が独自調査を行った結果、10人中9人が60歳以上の高齢者だったことが明らかになった。さらに死亡したこれらの高齢者らのうち75%が他の疾病も患っていたという。5日付フォーリャ紙が報じた。

 サンパウロ州の高齢者人口は全体のわずか12%だが、デング熱による死者数では全体の87%となり大半を占めている事実が浮き彫りになった。このほか、各市町村でのフォーリャ紙による調査の分析結果からデング熱で死亡した患者が入院から平均1週間後に死亡していることも示された。 サンパウロ州内で最も死者数が多いのがカタンドゥーバ市(23人)で、ソロカバ市(19人)、リメイラ市(9人)、イタピラ市(9人)と続いている。

 サンパウロ総合大学(USP)感染症学部のエスペル・カラス教授は、デング熱による死亡には複数の要因があるとして「感染時の基礎健康状態、診断や治療開始の遅れ、4種あるデング熱ウイルスのうち感染したウイルスの種類、デング熱の既往歴などといった要因が絡み合って悪条件が重なると死に至るため、高齢者にとって危険も大きい」と説明する。

 一方で「健康な成人がデング熱に感染しても、必要な治療を受ければ死に至る確率は低い。死亡率が高いのはぜん息などの病気を既に持っている高齢者や栄養状態の悪い新生児などだ」と述べる。

  また、今年に入ってからの死亡数については「エボラ熱や麻疹などの伝染病と比べると低いと考えられる」と主張している。「遺族にとってはかけがえのない命 だが、デング熱による致死率は州内では0.1%以下であるため、通常の風邪による死亡率とそう変わらない」と説明した。

  ブラジル全体ではデング熱の感染者は74万6000人に達しており、前年同期比で234%の増加がみられるという。国内全体の死者数は229人であること から、死亡例の大半がサンパウロ州で起こっていることになる。アルツール・キオロ厚生相はUSP公衆衛生学部での授業でデング熱感染の拡大について言及 し、「デング熱の撲滅目標は困難な局面に直面していることを認めざるを得ない」と話したという。

2015年5月6日付

コメント0

コメントを書く

Login

Welcome! Login in to your account

Remember me Lost your password?

Lost Password