バチスタ氏と大統領の会話 司法関係者の協力に関する発言も=JBS証言

大統領辞任求めるデモ 21州と連邦直轄区で
ブラジリアの官庁街を歩くデモ参加者(Foto: Lula Marques / AGPT)

 【既報関連】大手食肉企業JBSオーナーのジョエズレイ・バチスタ氏が行った司法取引証言に関し、連邦最高裁判所は18日、バチスタ氏により提出された録音のうち、テメル大統領との面会時に録音された会話部分の非開示指定を解除した。国内メディアがその内容について伝えた。

 バチスタ氏とテメル大統領の会話は、同氏が今年3月に大統領と面会した際に秘密裏に録音したものとされる。これまでの報道では、ペトロブラス汚職捜査で勾留中のエドゥアルド・クーニャ元下院議長などが証言を行わないようにする目的でバチスタ氏が資金提供を行っていることに言及した際に、大統領が容認するともとれる発言をしたとされることや、ペトロブラスのガス供給価格についてJBSグループの企業が抱える案件について、大統領が名前を挙げた元特別補佐官の下議が仲裁にあたった疑惑などが伝えられている。

 最高裁でペトロブラス汚職捜査「ラバ・ジャット作戦」の報告官を務めるファキン判事は18日、連邦検察庁の要請に対し、これらの疑惑に関してテメル大統領の捜査を行うことを許可した。

 テメル大統領は同日午後、メディア、国民に向けた会見で不正への関与を否定。辞任する意思はないことを強調している。

 録音内容の公表後はさらに、バチスタ氏が大統領に対し、自身がラバ・ジャット作戦の捜査対象となっていることに関する会話の中で、2人の判事を「抱えて」いることや、「特捜チーム内部」にも情報提供者がいることを伝える発言があったことが伝えられた。

 報道では、バチスタ氏の発言の内容が司法妨害や検察の買収等に関するものであるにもかかわらず、大統領から非難する発言はなかったと指摘されている。

 公表された会話内容について大統領府広報は、「大統領はバチスタ氏の発言の真実性を信じなかった」などとする声明を出している。

 一方、今回の疑惑は連立政権にも影響を及ぼしているとUOLサイトが19日付で伝えている。

 社会人民党(PPS)のブアルケ党首は、同党が連立政権から離れることを決定したと発表した。同党所属の2閣僚のうち、フレイレ文化相は18日午後に辞任願を提出。もう一人のジュングマン国防相は現在の国内治安状況を考慮して職務にとどまるとしている。

 ポデモス党(旧全国労働党)は現政権から離れると発表した。アブレウ党首は、現在同党が政権内で持つすべての役職からも離れる意向を示している。

 ブラジル社会党(PSB)のシケイラ党首は18日、同党所属のコエーリョ・フィーリョ鉱山動力大臣に下議への復職を求める意見表明を行った。

 政権内で2番目の議席数を有する社会民主党(PSDB)は、18日の時点で連立に留まることを決めている。

 マイア下院議長が属する民主党(DEM)では、今回の疑惑に対する反応は分かれているという。

 進歩党(PP)、共和党(PR)、ブラジル労働党(PTB)、大統領が属する民主運動党(PMDB)は大統領を支持する意向を示している。

 下院議員によって事務局に提出された大統領の弾劾請求は、19日の時点で8件となっている。

 バチスタ氏を含むJBS幹部による証言の映像も19日から各メディアで公開され、政治家および政党への資金提供に関する内容も伝えられている。バチスタ氏は18日、テメル大統領との会話録音が公表された後に声明を発表し、公職者への不正な支払いを認めるとともに、全ブラジル国民と関係者への謝罪の意を表した。

大統領辞任求めるデモ 21州と連邦直轄区で

大統領辞任求めるデモ 21州と連邦直轄区で
サンパウロ市パウリスタ大通りのデモ参加者(Foto Rovena Rosa/Agência Brasil)
 バチスタ氏の証言内容の報道を受けて会見したテメル大統領が、報道で言及された疑惑を否定し、辞任の意思はないことを表明した18日には、国内各地で大統領の辞任を求めるデモが実施された。G1サイトの報道によれば、国内21州の州都や連邦直轄区など、少なくとも29市で抗議行動が確認されている。

 デモは左派系の社会運動グループや学生団体、労働組合組織などを中心にインターネットのソーシャルネットワーク上で呼びかけられたという。

 サンパウロでは同日午後から、中心部パウリスタ大通りのサンパウロ美術館前に参加者が集まり、午後6時半ごろには片側の車線がふさがれた。同通りにある大統領府ビルの前では警察が警備にあたった。

 リオ・デ・ジャネイロやブラジリアでは、参加者と警察の間で衝突が発生している。

 テメル大統領に対する抗議行動は21日にも全国規模で実施されるとみられている。当初はジルマ前大統領の弾劾を求める集会を主導した社会運動グループによる集会も呼びかけられていたが、主要グループの中には延期を決定したところもあると報じられている。

2017年5月20日付

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