ビール醸造所 3年で2倍に クラフトビール、余地は「巨大」

 不況の影響などでブラジル国内のビール消費がしぼむ中、クラフトビールのブームに煽られて国内のビール醸造所の数はここ3年間で91%増加、2014年時点で356カ所だったのが17年時点では679カ所となった。この3年間に新設されたビール醸造所323カ所の6割近く、186カ所は、景気回復の兆しが見え始めた17年に開設された。農牧食糧供給省のデータに基づいて伯メディアが3月30日付で伝えた。

 同省によると、国内で登録されているビール(cerveja)及び生ビール(chope)の銘柄の数は昨年、8903種に到達した。平均すると、醸造所1カ所につき13銘柄を持っている計算だ。また、ブラジルのビール醸造所の8割以上は、ビール祭り「オクトーバー・フェスト」で有名なサンタ・カタリーナ州ブルメナウ市を抱えるブラジル南部と、巨大な消費地であるサンパウロ、リオ両州を抱えるブラジル南東部に集中しているが、もちろん他の地方においてもビール造りは行われており、現在はアクレ州とアマゾナス州を除くすべての州にビール醸造所があることになっている。

 クラフトビール醸造所のほとんどは、それぞれの地元を中心とした広くない地域で活動し、スタッフを数多く雇わないという傾向がある。しかし、全体として見た場合、クラフトビール醸造所は国内の至るところで、うまいビールだけでなく多くの雇用機会をも作っているのだ。

 ブラジル・クラフトビール協会(Abracerva)のデータは、中・小規模の企業が同業界内における労働者数の増加を担っていることを示している。15年以降これまでの間に、従業員99人以上のビール醸造所は合計1184人分の雇用機会を消失させた。一方、従業員99人未満のビール醸造所は同じ時期に1549人分の雇用機会を創出した。その結果、業界全体で365人分の雇用を生むことができた。同協会のカルロ・ラポッリ会長は「業界内の雇用を守ったのはたしかに小規模醸造所だった」と話す。

 近年のブームで醸造所が激増したにもかかわらず、業界の評価によれば、新たな醸造所が参入できる余地はまだまだ大きい。今日、市場におけるクラフトビール醸造所のシェアは依然として限りなく小さく、クラフトビールはまだまだニッチな分野だ。ラポッリ会長は約6000もの醸造所がビール造りに励んでいる米国を引き合いに出して、ブラジルのクラフトビール業界はまだまだ巨大な潜在的成長可能性を秘めていると主張。「現在進行中で今年中に発進する多くのプロジェクトがある。今現在に至るまで、我々が生きているのはブラジルのクラフトビールの先史時代にすぎない」と話す。

 同協会の見積もりでは、クラフトビールの生産量はブラジルのビール生産量全体の1%でしかなく、その販売額も全体のわずか2.5%でしかない。ちなみに、アンベブ(Ambev)、ハイネケン(Heineken)、ペトロポリス(Petrópolis)というビール大手3社が集まるブラジル・ビール工業会(CervBrasil)の試算によれば、これら3社が持つ数々の銘柄のビールの17年の生産量は、国内のビール生産量全体の95%を占めた。

 なお、冒頭で触れた通り、ブラジル国内のビール消費はこのところしぼんできている。市場調査会社のユーロモニター(Euromonitor)のデータによると、ブラジルにおける1人当りのビール消費量(年間)はここ4年の間に67.8リットルから60.7リットルへ、7リットルも減少した。これについて、ブラジル・ビール工業会のパウロ・ペトロニ会長は、近年のブラジルにおける1人当りのビール消費量の停滞は、人々の消費習慣の変化よりも、強烈な景気後退によるものだとの見方を示している。

2018年4月14日付

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