ピラール 第38回校内お話発表会 日本語学校の大切さ訴え

ピラール 第38回校内お話発表会 日本語学校の大切さ訴え
発表会出場者と審査員など関係者たち

 ピラール・ド・スール日本語学校(南満校長)主催の第38回校内お話発表会が12日、同文協会館で行われ、4歳から16歳までの全生徒54人が学年別に5つの組に分かれて参加した。

 午前8時半からの開会式では、文協の阿部勇吉会長、南校長のあいさつに続いて「10年以上お話をやってきているけど、私は全然慣れない。いつも舞台の上では震えるし、泣きそうになる」と数日前から緊張しているという吉岡香織さん(16)が生徒代表のあいさつを行った。

 聖南西地区では15年ほど前から時代が変わり、生徒の多くはもはやお話発表会に適した作文が書けないとして、既存の物語の朗読をしてもよいとの方針に変更。ピラール・ド・スール日本語学校でも多くの生徒が朗読を選択して発表をしていた。しかし、日本移民100周年の2008年に、全生徒に移住学習に関連した作文を書かせて発表させたのを機に、全員自作の作文をもとにして発表する形式に戻している。

 低学年の発表者は家族紹介で、中学年以降は今年2度あった作文コンクールで書いた作文を修正したものや同発表会のために新たに書き上げたものを使用した。教師によると、発表会だからといって体裁のいい立派な内容に変えることはせず、できる限り生徒本人が書いた内容や言葉を大切にし、当人の日本語力に見合ったものに手直しした内容になっていると言い、生徒全員が暗記して発表したという。

 この日、ひときわ客席の心をつかんだのは『上級生3の部』の横飛英雄君(16、4世)。「12年通ってきた日本語学校では楽しいことばかりでなく、辛いことや悔しいこともたくさん経験してきたが、自分はすごく大きく変わった。自分の気持ちや努力次第で、誰にだって日本に行くチャンスや夢をつかむことができる」と会場の生徒に強く訴えた。11歳までは日本語を勉強せず留年を3度繰り返した末に心機一転して努力をするようになり、JICA次世代育成研修生や海外高校生スピーチコンテストのブラジル代表として訪日する夢を果たした。横飛君は「保護者の方々に知っていただきたい。日本語学校から早く出るということは、多くの可能性やチャンスを切り捨てることになるということを」と語り、言語習得のみならず多岐にわたって行っている日本語教育の意義の再認識や再評価を促した。最後に感極まって言葉に詰まり、終了後は号泣する姿があった。

 高倉けんぞ君(15、4世)は「自分も今年で卒業するので、聞いていて気持ちがすごく分かるし、一緒に泣いてしまった。でも周りを見たら色んな人が泣いていて、日本語があまり分からないお母さん達までも泣いているのを見て、なにか嬉しかった」と横飛君の発表を称えた。

 横飛君は「以前は16歳まで通学する生徒が多かった。でも最近は、ブラジル学校のために日本語学校を早く出す親が増えた。ブラジル学校の勉強同様、人生に大事な教育をしてくれている日本語学校の素晴らしさを親たちにもっと理解してほしい。そして、もっとたくさんの生徒がいてほしい」との思いで、最後となる発表会の場で保護者に伝えたかったという。

 会場では「あれだけの内容を書くだけでも素晴らしいのに、さらにその気持ちをあれだけ強く表現できるのは見事」「感動した」といった感心の声が数多く上がっていた。

 審査員長の田頭明子氏は講評で、「3年連続審査員をさせていただいたが、皆が非常に成長していてとても驚いた。日本語学校に来ている生徒はブラジル、日本両方の文化を知り、心が広くなる。そして両方の比べたものをもっと良くしようとすることができる」と生徒たちを激励した。

2017年10月27日付

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