ブエノスアイレス紀行(終) 再訪したい有意義な旅に

ブエノスアイレス紀行(終) 再訪したい有意義な旅に
ブエノスアイレス市街地

 最終日は、午前9時の便でサンパウロへ帰国。当日はジョージ・ニューベリー空港に余裕を持って、同6時過ぎに到着した。早朝にも関わらず、送ってくれた友人トミには感謝の気持ちでいっぱいだ。急なお願いにも快諾してくれたのでお礼にお金を払うと言うと、「友達同士はお金なんて払わない」という格好良い言葉が返ってきた。10歳も年下の友人から、人間関係について学んだ瞬間だった。「人に優しくされている分、2017年はもっと人には優しくしよう」と誓った。

 トミとは約5年ぶりの再会だったが、当時15歳だったトミはまだ背も低く、子供然としていた。英語もあまり話せず、スペイン語を話せない記者とはお互い片言の英語とスペイン語で話していた。

 しかし、5年が経ち、トミは何の訛りもない流暢な英語を話す青年に成長していた。子供の成長は恐ろしい。「記者は5年前と比べて何か成長しただろうか」と考えると、悲しくなる。若い時に苦労と勉強はしておくべきだと痛感したが、あとの祭りだ。

 今回の旅行の航空券は往復で1100レアル。1カ月前に旅行会社で購入したが、9月頃にインターネットで調べた際は、最も安いもので600レアルを切る航空券もあった。当たり前の話だが、早ければ早いほど安い。特に今はブラジル国内より、アルゼンチンへ行くほうが安いと旅行社の職員は言っていた。

 亜国滞在中は差別を感じず、むしろ優しい人ばかりという印象で居心地が良かった。しかし、韓国系の友人ジェシカは「差別がすごい」と断言し、多くの差別体験を話してくれた。一番驚いたのは、白人とアジア人で料金を変えることがあるという話。記者がジェシカに「ナイトクラブへ行きたい」と言うと、「行かないほうが良い」という言葉が返ってきた。理由は白人と比べて3倍の値段を要求されるからだ。

 「クラブはアジア人や黒人、インディオ系を入店させたくないの。腹立たしいからもうクラブには何年も行っていない」とジェシカは話した。また、あからさまに白人とそれ以外の人種で態度を変えるレストランの店員もいるそうなので、もう少し滞在したらそういう場面にも遭遇したかもしれない。ただ「日系人はこの国の発展のためにたくさんのことをしてくれた」と記者に言ってくれた人もおり、個人的な意見としては「一般的に言われているほど亜国人は差別的ではない」ということにしたい。

 清潔で何もかも美しいブエノスアイレスだが、ファベーラのような地区も存在し、路上生活者もブラジルほどではないが居た。亜国の物価は伯国より高く、500ミリリットルの水は約4レアルくらいだった。中間層は以前はアメリカのフロリダに買い物に行っていたそうだが、今はチリに行くのだという。某リンゴのマークが目印の製品は、チリで買うとかなりお得なのだとか。

 6泊7日の短い旅だったが、友人知人のお陰で非常に有意義な旅となった。それでもタンゴ公演を観ていないし、日系団体の訪問もしていない。やり残したことはたくさんある。ウルグアイのコロニアも一泊して、もっと堪能してみたい。できることなら、そう遠くない未来に再訪することができればと思っている。(おわり)

2016年2月4日付

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