ブラジルに根付いた大正琴 17年の歴史刻んだ琴聖会

 2ページに掲載したように4日、琴伝流大正琴琴聖会が「日伯大正琴交流17周年記念コンサート」を開催する。筆者にとって、同会には特別な想いがある。17年前、和歌山で大正琴を教えている畑美琴峰さんから、「サンパウロで大正琴の演奏会を開きたいので協力してほしい」と依頼があった。日系コロニアでは様々な日本文化を伝承・普及している団体があるものの、当時、大正琴の団体は聞いたことがなかった。畑さんに「ブラジルに大正琴を根付かせたいので、演奏会だけではなくワークショップもお願いしたい」と申し出たところ快諾していただき、10台の練習用大正琴を持参しての公演となった▼10台の大正琴を使い、開いたワークショップにはサンパウロ市内だけでなく、モジ、スザノで大正琴を弾く人や遠くはマットグロッソ・ド・スル州ドラードスで大正琴を学ぶグループの人達やブラジリアで母親が日本から持ち込んだ大正琴を持参する人など予想以上の人達が集まった。このワークショップを見ながら、何とか大正琴の団体をサンパウロに作れないか、と畑さんに相談した。しかし、指導者がいるわけでもなく、大正琴があるわけではない。畑さんは、「いいわよ。手伝ってあげる」と二つ返事で了解してくれた。持ち込んだ練習用機材を文協に寄贈、その機材を新聞社が借り受け、新聞社内のサロンを使って20人ほどの人達が見様見真似で始めたのが最初だった▼指導者がいなければ、続かない。畑さんは、集まった人たちの中からブラジル郷土民謡協会の佐々木夏代さんをリーダーに指名し、日本から楽譜やビデオを送り指導を続けた。徐々に会員は増え、少しずつ上達した。練習だけより発表する場を設けなければいけないと考え、文協芸能祭への出場を計画、無理を言ってねじ込ませたこともあった。2年ほどで代表が佐々木さんから山崎節子さんに代わり、一時期は会員が50人まで膨れ上がった。畑さんにはこれまで7回ほどブラジルに来ていただき指導してもらっている▼だが、会員は高齢者が多く、下降線をたどっている。それと反比例するように各地から公演依頼が多くなった。山崎さんはじめ会員の皆さんが懸命に努力し、演奏力は格段に上達している。その努力を横目で見ながら、この地で日本文化を伝承・普及することの難しさを肌で感じると同時に、皆さんの大正琴に対する真摯な姿勢に頭が下がる。「光陰矢の如し」。17年の歴史を知る一人として、今回のコンサートには特別な想いがある。ぜひ、皆さんに聴いていただきたい。(鈴)

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