ブラジルの未来を切り開く日系人経営者(51) パラナ州の日系人経営者・10人の素顔 

移民精神を継承する日系人経営者の進取の気風㊤

 パラナ州の多くの日系人には初期移民からいまも日本人の心と魂が受け継がれている人が多い。パラナ州出身の経営者は、スケールの大きい進取の気風、開拓者精神、そして旺盛な経営マインドとともに、日本精神の心と日本文化を尊重し、人を育てることのできる、器量のある人物型の経営者が風土的に多いといわれる。

パラナ州と日系人経営者、取材の背景と目的

ブラジルの未来を切り開く日系人経営者(51)  パラナ州の日系人経営者・10人の素顔 
数字で見るブラジル27州に占めるパラナ州の地位
 パラナ州の日系社会は昨年パラナ州日本移民100周年を迎えて、いま新たな100年に向かってその第1歩がスタートしている。ブラジル国民として、地域密着で、地域とともに、パラナ州とともに、ブラジルとともに、ブラジルの赤土の大地にしっかり根を下ろして貢献している。

 地域や社会及び経済の発展には欠かせない、その日系人への評価と期待について池田敏雄駐クリチバ総領事はこう語っている。「パラナ州にはブラジルで第2の規模を誇る日系社会があり、すでに100年の歴史を有しています。パラナ州の日系人はブラジル社会に融合し、農業分野にとどまらず、政治、行政、医療、ビジネス、法曹、芸術などあらゆる分野で活躍しています。パラナ州の日系人が父祖の世代より受け継いだ日本文化、日系社会を若い世代に引き継いで頂くと共に、地域の人々と手を携えて地域の発展と日本とブラジルの友好親善関係の増進のため一層活躍して頂くことを期待しています」。

 日本の国土面積の23倍あるブラジルは連邦区と26の州から構成されている。ブラジルの日系人は190万人といわれ、1番多いのはサンパウロ州で113万人が住み、2番目に多いパラナ州は15万人が住んでいる。パラナ州はサンパウロ州などとともにブラジルを代表する先進国レベルの州である(*囲み記事の数字で見るブラジル27州に占めるパラナ州の地位を参照・出典はIBGE等)。州都クリチバは州の政治、経済、工業、教育などの中心都市であり、近代的な都市計画に基づいて清潔で整然かつ機能的な町づくりが行われ、自然と環境との調和、高い民度と教育水準、などでブラジルを代表する都市の1つとして有名だ。

 同時に同州の日系社会や日系人でも特に北パラナはサンパウロの日系社会に較べて教育熱心で高学歴の人が多いのが特徴で、またスポーツやカラオケの世界、俳句や短歌、書道の世界などでも、強く、上手く、そして教養があるなど、ブラジル社会の中でも存在感がある。パラナの住民として、良きブラジル国民として、住民とともに地域発展に貢献しておりその評価と信頼は高い。パラナ州には、サンパウロ州に次いで伯第2位の日系社会(約14・5万人)が存在し、州北部から西部にかけて全体の2/3程度、州都のクリチバ市含む南部に1/3程度の日系人が居住していると言われている。北パラナのロンドリーナにはパラナ州日系団体の連合会として機能するパラナ日伯文化連合会(アリアンサ)が設立されている。1991年アリアンサはパラナ日本語教育センターを設立。永らくパラナ州の日本語教育の向上に尽力したパラナ教育連合会が2006年に閉会した後、アリアンサはその活動を受け継ぎパラナ州の日本語教育の発展に大きく貢献している。パラナ州の各地域の日系人会は日本祭りなどの行事を開催し日本文化の普及に努め、ブラジルの中では日本の文化活動が大変に盛んな地域として知られている。

 100年前の初期開拓移民以来、いまも日本人の持っている心と精神が2世、3世、4世へと代々継承されているのがこのパラナの特徴だろう。

 パラナ州への日本人移民は1913年にサンパウロ州から南下したことから始まるが、パラナ在住の日系人が某誌の取材で語ったところによれば「以前の総領事がこんな比較をしていた。サンパウロ州の日系人はコロノ(小作農)出身者が多いが、パラナ州は最初から土地を買って入った地主が多い。それがおのずと発想の違いに反映すると言っていたのが印象に残っている」という。ある日系人経営者は「パラナ州出身で成功している日系人経営者はブラジル国内でも有数の企業グループを形成している」と語っている。(後篇は明日8日に掲載)(文責 カンノエージェンシー代表 菅野英明)

2016年6月7日付

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