ブラジル・サンパウロ 「世界最悪レベル」と言われる治安の悪さ㊤

ブラジル・サンパウロ 「世界最悪レベル」と言われる治安の悪さ
地下鉄パライゾ駅の周辺

◆日本企業駐在員家族が味わう悲哀

 4月15日、サンパウロ市内在住の日本人移住者が自宅に押し入ろうとした強盗に胸を撃たれて死亡した。このニュースは、日本の新聞、テレビで大きく報道され、改めてブラジルの治安の悪さに注目が集まった。このニュースを配信した時事通信社サンパウロ支局の記事には「サンパウロ市では最近、邦人の強盗被害が続発。2017年1月には、40代の駐在員男性が強盗に射殺される事件も起きている。ブラジルの治安は『世界最悪レベル』と見なされ、改善はボルソナロ政権の最優先課題となっている」とあり、サンパウロの治安の悪さを強調されていた。

 サンパウロに住む人たちは、こうした事件が日常茶飯事で「自分の身は自分で守るしかない」と半ばあきらめ顔。日本企業の駐在員やその家族も同様だ。日本企業の駐在員が数多く居住している地域の一つが、サンパウロの目抜き通りパウリスタ大通り近くのパライゾ地区。数カ月前から、この地域で日本人を狙った強盗が出没し、被害が続発している。数人組の若者が通りを歩く日本人を狙っているという。在サンパウロ日本総領事館の被害情報でもたびたび報じられているが、4月に入って、同地区の英会話学校に強盗が押し入った。母親が子供を英会話学校に送り届け、同学校の待合室で他の日本人と雑談していたところに外部から1人のブラジル人男がインターフォンで「子供に英会話を習わせたいのでコース等を教えて欲しい」と学校内の職員に伝えた。このため、学校職員は扉を解錠し、入室させた。受付の職員が応対し学校の説明を行った。説明終了後、男は一旦英会話学校から出て行ったものの、少しして再度学校に戻り、再びインターフォンを押した。既に会ってるため油断した職員が再び解錠したところ、男は別の1人の男を伴いの2人で入室し、突然大声で「金を出せ。携帯を出せ。けん銃を持っている」等と怒鳴った。この2人はノートパソコン2台,英語教師の携帯電話1台及び日本人の母親から現金約500レアル(約1万5000円)を強奪し逃走した。

 在サンパウロ日本総領事館がその後調べたところによると、今年に入ってから同地区の在留邦人が利用する教育施設などで同様の事件が連続発生していることが判明した。犯罪の手口は親族,知り合い及び業者などを装い解錠させ施設内に侵入し、強盗に及ぶという手口だ。同一犯グループの可能性も考えられるという。

 これまで現金や所持品の強奪だけで殺傷事件が起こっていないことが救いだが、いつ殺傷事件に発展するか予断は許さない。駐在員家族は様々な防御策を講じて生活しているのだが、警備が厳重な教育施設で事件に巻き込まれるとは想像さえしていなく、「こんなところには住めない、と言って早々に帰国した駐在員の家族もいますよ」とある駐在員夫人は苦笑いした。

 このように、サンパウロは日本では想像できないような生活を余儀なくされる。(つづく)

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