ブラジル最初の邦人殖民地⑤ イグアペ文体協会員たちと懇談

ブラジル最初の邦人殖民地⑤ イグアペ文体協会員たちと懇談
イグアペ市内の公園に建つ鳥居

 桂植民地跡を離れ、ボートでイグアペ市へと戻る。

 昼食を挟んで午後からは、吉見イゾさん(71、3世)の車で同市内にあるイグアペ日伯文化体育協会(ACENBI、アサノ・イチロウ会長)の会館へと連れて行ってもらう。幼少年期を桂植民地で過ごした経験を持つ人が、今もわずかに数人ほどいるという。

 途中、イゾさんの案内で市内セントロ区の公園に立ち寄る。アデマール・デ・バーロス通り沿いにある小さな公園内には、3メートルほどの高さの鳥居があり、中央部分に漢字で「桂」と書かれてあった。また、同公園内には2003年の桂植民地入植90周年を記念したモニュメントがあり、第1陣入植者36家族の家長名がアルファベットで刻まれている。

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 午後2時半ごろ、ACENBIの会館に着くと、アサノ会長をはじめ、10人ほどの会員がカラオケを楽しんでいた。

ブラジル最初の邦人殖民地⑤ イグアペ文体協会員たちと懇談
公園内の記念碑には桂植民地第一陣36家族の家長名が刻まれている

 せっかくの楽しみのカラオケをわざわざ中断して、同地文協と桂植民地時代の話を聞かせていただく。

 アサノ会長によると、同文協は1958年に創立。来年60周年の節目の年を迎え、現在、約80家族が所属しているという。

 年間行事は1月の新年会をはじめ、誕生日会(年2回)、敬老会(70歳以上が対象)、ビンゴ大会、運動会、カラオケ大会、忘年会などがあり、青少年向けの卓球、バレーボール、野球の活動も行っている。

 また、文協傘下の日本語学校もあり、10歳前後の子供たち10人が1人の女性教師に土曜、日曜の週2回、教わっているそうだ。

 さらに、2013年の桂植民地入植100周年を記念して開始された日本祭りが、毎年11月9日の入植日に合わせてACENBI会館で実施されており、今年で5回目となる。その目的は、桂植民地入植に始まった同地域の日本人開拓者を偲ぶことで、日本文化など各種イベントを実施するほか、日本食等の販売も行われている。

 そのほか、2013年当時に、桂植民地と日本移民の歴史を分かりやすいように漫画で描いた「Os Pioneiros de Katsura」を5000部印刷して発刊。地元イグアペ市のブラジル学校などに無料で配布している。

 ACENBIは今後の目標として、桂植民地時代からの史料館を現在の会館横に建設したいとの思いを持っている。「若い人が、なかなか文協の活動に参加しない」(アサノ会長)という日系社会共通の悩みを抱えている中、ACENBIではブラジル最初の日本人植民地の歴史を後世に伝えていく大切さを重視している。(つづく、松本浩治記者)

2017年3月16日付

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