ポルト・アレグレの日系社会 非日系が多く現地と共存

ポルト・アレグレの日系社会 非日系が多く現地と共存
南日伯援護協会の建物(2018年8月17日撮影)

各団体が協力し合いながら活動

ポルト・アレグレの日系社会 非日系が多く現地と共存
金沢友の会の役員ら

 リオ・グランデ・ド・スル州には現在、約5000人の日系人が住んでいる。州都のポルト・アレグレ(ポ)市には、南日伯援護協会(南伯援協、谷口浩会長)、ポルト・アレグレ文化協会(ACJ、菅野妙子会長)、南日伯商工会議所(和田好司会頭)などの主要な日系団体があり、各団体が協力し合いながら活動を行っている。同地は日本人の多くが戦後移住者で、他地域と比較して60代、70代の1世がまだ多い。また、同市には日系人が少ないため、非日系人と積極的に協力し合いながら生活していることも特徴的だ。ブラジル社会に溶け込む日系社会の先駆けと感じさせる現地の日系社会を紹介する。

 同市の日系団体で、最も早い1981年に設立されたのが南伯援協だ。南伯援協の経理を務める和田恵子さんによれば、「ここは日本人が少なかったため、最も必要とされた南伯援協が最初に設立されたのでは」と話す。現在会員数は約400家族だが、会費を支払っているのは約300家族。「親から子どもの代になった時に、会費を払わない人がいる」と昨年南伯援協の会長を務め、同地日本祭りの実行委員長を務める樋渡ミルトン氏(60、2世)は説明する。主な活動は地域の老人に日本文化を教えることをはじめ、運動会、敬老会、忘年会、バザーなどのイベント開催と、援協ニュースを月1回発行、そして最も重要な活動が、年に1度3週間かけて行われる巡回診療だ。

 南伯援協の建物にポルト・アレグレ日本語モデル校が設立され、教育部門として2004年に派生的に設立されたのがポルト・アレグレ文化協会(ACJ)だ。菅野会長(68、北海道)によれば、ACJは会員数が約70家族で、2世以降が9割、非日系人も含まれているという。また、設立当初は日系企業が多く進出し、日本人学校として機能していた学校は日系企業の撤退が相次ぎ、日本語と日本文化を教える学校になり、生徒数100人のうちの約7割を非日系人が占めている。「先生も非日系人ばかりで、日本で研修して勉強しているんですよ」(菅野会長)

 その他にも南日伯商工会議所、婦人会、寿友の会、青年会など各日系団体が活動を行っているが、他地域と比較して非日系人の参加率が多いことが特徴だ。「日系人でも、非日系人でも若い人たちが加わって、組織が続けば良いと思っています」とACJの菅野会長は率直な思いを話す。

 若い非日系人が参加する組織の先駆けとなるのが、姉妹都市の金沢市との親睦団体である『金沢友の会』だ。現在の会長はベアトリス・ロケットさん(22)で、姉妹都市の制度を利用して15年に金沢市に1カ月留学した経験もあるという。「金沢市から贈呈された物の管理など、よくやってくれています」と南日伯商工会議所の和田会頭(78、兵庫)は若い非日系人たちの活動を称える。副会長を務める非日系人のガブリエル・モレイラさん(19)もマンガや日本の文化に惹かれ、17年に同じ制度を利用して1カ月間、金沢市に留学している。

 樋渡委員長は「日本祭りも毎年ボランティアをしてくれる非日系人の人たちがいる。徐々に日系人は少なくなっても、日本文化や社会は残ると思いますよ」と現地と共存している日系社会について語り微笑んだ。

2018年9月11日付け

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