マリアーナ鉱滓ダム決壊事故 被災者達の3割がうつ病に

 ブラジル最大の環境災害が起きたマリアーナの鉱滓ダム決壊から3年目となる今月5日、その被害にあった住民達の多くがうつ病に苦しんでおり、精神的な支援を受けていることが明らかになった。5日付アジェンシア・ブラジルが報じた。

 マリアーナ市(MG)パラカツ区では、サマルコ鉱山会社の鉱滓ダム決壊事故で流出した鉱滓泥水が、同地区のコミュニティーを荒廃させている。

 そこに居住していたロメウ・ジェラルド・デ・オリベイラさん(43)は、「数か月前には、自分が生きていても、或いは死んだとしても同じだという結論に達した。生きる意欲もなく、希望はゼロだった。しかし、こうした考えに陥った時には、88歳になる父親が、自分にかなり頼っていることを思い起こすようにしている。自分は、父親の自宅から10メートルの場所に住んでいた。現在、父親は別の場所に住んでおり、自分の家からは2キロ離れている。父はこの状況のために悲しんでおり、それが自分の心を割いている」と肩を落としている。

 この地区の復興工事は遅延しており、元に戻れない人たちは、この災害による損害の回復に取り組んでいるレノバ財団により賃貸された借家に被災者達は居住している。

 ロメウさんは、専門医のサポートを受けてから、精神的に回復してきたといい、「自分はかなり無口なので、自分の気持ちを打ち明けるようという意思はない。それで自分の中に気持ちを抑え込んでいた。しかし、もう耐えられなくなっていた。それで、精神的なケアを受けたところ、回復してきた」と報告している。

◆調査

 今年4月、ミナス・ジェライス連邦医科大学(UFMG)は、この被害に遭った住民達の精神的な健康に関する調査を発表した。この調査では、その内のほぼ30%がうつ病に苦しんでいることが明らかになった。その割合は、ブラジル全体の人口に占めるうつ病の比率の5倍だという。世界保健機構(WHO)によると、2015年には、ブラジル人の5・8%がうつ病を患っていたという。

 さらにこの調査結果では、回答者の32%が一般的な不安障害と診断されており、ブラジル国民全体における比率の3倍となっている。また、自殺のリスクや、アルコール、タバコ、マリファナ、クラック、コカインなどの向精神物質の使用に関しても、比率が高くなっているという。

 この調査は、災害からの回復プロセスの技術支援を行なうためにマリアーナ市の被災者達により選ばれた団体「カリタス」との提携により実施された。カリタス技術アドバイザーのアナ・パウラ・ドス・サントス・アルベスさんは、「被災者達は、全く違う都市での生活ゆえに、病気になりつつある。日常の活動を失っただけでなく、もはや隣人もいない。 薬物中毒、アルコール中毒、そしてうつ病に苦しんでいる。それらの幾つかは既に存在していたものの、ダムの決壊後にはさらに急増している」と述べている。

2018年11月7日付

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