モザイク 2016年4月2日付

 ホテルに戻ってからの過ごし方は人それぞれ。渡部秀喜さん(64、福島)は海岸で凧をあげていた。渡部さんの凧は日本風の凧ではなく、いわゆる「フライング・カイト」と呼ばれるアメリカ製のもの。見た感じは、もはや一種のスポーツのようである。風が強いフォルタレーザの海岸の評判は、サンパウロの凧揚げ仲間から聞いていたそう。渡部さんの凧をモザイク子もやらせてもらったのだが、一見簡単そうに見えてけっこう難しい。強風の海岸では凧に糸を引っ張られコントロールするのに力がいる。非力なモザイク子はもう少し簡単な凧を貸してもらった。こちらは風向きによって糸を右手と左手でコントロールする凧。コツを掴むと楽しく、気づけば1時間半も経っていた。翌日も遊ばせてもらい、すっかりフライング・カイトの虜(とりこ)に。旅の後半はやれなかったのだが、渡部さんに頼んでサンパウロでもやらせてもらう予定である。


 日本で2年間監禁されていた女子中学生が自力で逃げ出し救助された事件があったが、脱出した際、公衆電話を使い自宅に連絡したという。携帯電話の時代になり、すっかり過去の遺産のような存在に成り下がっていた公衆電話。面目躍如である。しかし、この女子中学生が公衆電話を使えたという事実が驚きである。物心付いたときから携帯電話が当たり前にあった現代の中学生などの若い世代は、公衆電話の使い方が分からない者がほとんどだという。電話番号を入力するのと硬貨を入れる順番のどちらが先かすら分からないそうだ。何だか隔世の感である。日本の若者たちは自宅の番号くらいは覚えているのだろうか。携帯電話がなければ何もできないようでは困ったものである。ちなみにモザイク子は来伯当初、公衆電話を使おうとして使い方が分からなかった過去がある。


 公衆電話と言えば、最近はブラジルでも壊れて使えないものが多く、スマホをはじめとする携帯電話が普及した現在、ほとんど公衆電話をかけている人を見かけない。記者は恥ずかしながら未だに携帯電話を携帯したことがないが、緊急事態が発生した時以外は特に困ったことはない。困るどころか、どうでもいい電話がかかってこなくて清々している。「あなた、それでよく記者をやっていますね」と言われるが、そういう有難いお言葉は馬耳東風に聞き流すことにしている。まあ、仕事上、こちらから他人の携帯電話番号を聞くことは多いのだが。

2016年4月2日付

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