モザイク 2017年10月12日付

 先ごろ出会った日系4世の男性は、日本語がまったく話せないと言った。「若い4世なら仕方ない」と思ったが、母親は日本語教師だという。それならば「なぜ」と思い問うと、「小さい頃から日本語を勉強しなくてはいけないと何度も言われて嫌になってしまった」のだそう。加えて「何かを学ぶということは、自分の意志で行うこと。強制されるものじゃない。特別日本語が必要とも思わなかった」という。日本人としてはその言葉を少し悲しくも思ったが、彼の言うことはまったくもって正しい。今後の日系社会において、日本語教育は確かに重要であるが、それを子供たちに無理強いするのは良くない。あくまで自主性に任せるのが最善だとは思うが、そうしたら日本語が廃れてしまう可能性もある。言語や文化の保存というのは、かくも難しいものだと痛感した。
    


 先日、サンパウロ市シャカラ・サント・アントニオ地区のブラジル銀行のメイン金庫に通じる500メートルのトンネルを摘発したという報道が流れた。10億レアルを狙うという、まるで日本のアニメ「ルパン3世」のようなシナリオで、日本では想像すらできない。強盗で掘られたトンネルに限らず、世界の色々な場所で見つかるトンネルには様々な意味合いでインパクトを持っている。
     


 北朝鮮の北緯38度線付近では南進トンネルが一部見つかっていたり、日本では大本営や、青函トンネルなどが有名だ。インフラ面で言えば、イギリス(グレートブリテン島)とヨーロッパ大陸を結ぶトンネルは、欧州内の人・モノの移動を簡単にしたトンネルだ。日系人にとって、最も記憶に残っているトンネルは、1996年の在ペルー日本国大使公邸占拠事件でのトンネルではないだろうか。古代の大規模な地下通路で有名な世界遺産・チャビン・デ・ワンタルになぞらえて「チャビン・デ・ワンタル作戦」と名付けられた作戦では7本のトンネルを掘り、特殊部隊の突入・解決に繋がった。トンネルが持つ様々な顔が、ブラジルでは強盗だということに溜息が出る。
     


 今日12日が「聖母アパレシーダ」の祝日のため、明日13日付の新聞は休刊となります。

2017年10月12日付

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