モザイク 2017年11月14日付

 移民110周年が迫る中、来伯する慶祝団や、関係者らが一見すべき各地の移民史料館。ブラジル日本文化福祉協会の移民史料館も、来年中は改装工事を実施する旨を発表しており、最古のコロニア・レジストロの史料館も工事中となる。来伯者へ、日系社会・ブラジル移民史を教示する場所を相次いで閉じてしまうのは非常に残念だ。レジストロの状況は特別だが、「記念事業の一環」という史料館工事への違和感は強い。
     


 2013年に、最古のコロニア・桂移住地ができてから入植100周年を迎えたサンパウロ州レジストロ市の日系社会で、「コロニア・デ・レジストロ100年史」の編纂が終わり、印刷がスタートしたそうだ。責任者兼コーディネーターの清水武ルーベンスさんは「既に印刷がスタートしており、11月中には印刷も完了する予定。年内には発行できる」と落ち着いた表情で話してくれた。他の同地日系社会の関係者らに同冊子の話を聞くと、同地日系社会の歴史を記者に語りながら、「100年史のことは、何と言っても清水さんに聞かなくちゃ」と、執筆や編集、発行に向けた営業面など多岐にわたり編纂を務めた清水さんを称えていた。
     


 2日にレジストロ市で開催された「第63回レジストロ灯篭流し」の会場に、2008年の移民100周年事業で、同市の精米機や古いお茶の機械部品などの日系社会の遺品を使用したモニュメントを制作した豊田豊さんの姿があった。訪れたのは、来年で10年を迎える複数のモニュメントの現状確認とアフターケアの打ち合わせを行うためだという。豊田さんはステンレス彫刻の作品を同地に複数残しており、灯篭が放流されたリベイラ河畔に在るモニュメントの下部が、洪水により錆が出ている状況も確認し、対策として台を設けて綺麗に整備するそうだ。自身の作品には生涯責任を持ち、メンテナンスも行う豊田さんの姿勢に、一流芸術家として一線で活躍し続けられる理由が垣間見えた。
     


 ブラジル健康体操協会(川添敏江会長)のメンバーが2日の「第63回レジストロ灯籠流し」に参加し、会場を盛り上げた。天候に恵まれた当日、ステージの周りを大勢の日系・非日系人らが囲み、健康体操の曲に合わせて手拍子をとるなどし、会場の雰囲気を作り上げていた。ステージの時間は午後7時過ぎ。最も見物客が集まっているゴールデンタイムでのパフォーマンスだった。ステージを終えた後も、盆踊りに加わって一緒に踊るなど、盛り上がりのある場所には必ず緑のシャツ(ユニフォーム)を着た同会員の姿が見受けられた。その姿は健康そのものだった。健康体操の効果を証明するかのような明るさに、元気づけられた人が大勢いただろう。記者もその一人だった。

2017年11月14日付

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