モザイク 2018年11月8日

 世界各地の紛争を取材し続け、シリアのホムス地区で命を落としたメリー・コルビン氏の伝記映画「ア・プライベート・ウォー」が全米で16日から公開予定だ。コルビン氏は英国サンデー・タイムズ紙に所属し、中東、チェチェン、ジンバブエ、東ティモールなど戦争・紛争地域を駆け回った。2001年にはスリランカ軍の放った爆撃により、左目を失明。PTSDを発症したが、黒い眼帯を着用して現場に復帰した。コルビン氏は、10年にブリティッシュ・プレス・アワードで優秀外国人記者に選ばれた際に、スピーチで戦場にいる報道記者のあり方を「戦争の恐怖を正確に、先入観抜きに報道すること。取材のリスクは報道内容に見合うか、いつも自問する必要がある」と語っている。シリアから帰国した安田純平氏の「自己責任論」で議論されているが、彼の今後の行動が責任の是非を問うだろう。


 先日出会ったUBER運転手のおじさんと会話が弾んだ。おじさんから職業を聞かれ、ジョルナリスタと答えると、意外な言葉が返ってくる。アルゼンチンに住んでいたというおじさんは、「アルゼンチンの記者はペリオディスタ(スペイン語で記者の意)。日本の記者は新聞記者だ」と唐突に言ってきた。驚いたのは、彼が日本語で「新聞記者」と区別して言ってきたことだ。なぜその単語を知っていたのか聞いてみると、ラジオで国際報道を聞いていると、「○○新聞によると……」という形で日本のニュースが流れているからだという。それで区別してしまうとは、凄いものだと素直に感心した。ラジオ放送で、ブラジル人が日本のニュースを聞いていること自体、あまり耳にしてこなかったが、日本への関心が高いことが分かる。


 NHKの佐賀放送局長の男(59)が女性スタッフが入浴中の風呂に侵入したという。何ともいやらしい話だ。NHKは局長職を解任して人事局付に異動させ、14日間出勤停止の懲戒処分にするそうだが、普通に考えれば解雇だろう。男はNHK前会長の秘書室長を務めていたといい、内部で力を持っていたことが推測される。権力者の罪が甘いのは、日本社会の悪いところ。それがモロに出ている。NHKの不祥事はここ数年間で何度か見聞きするが、同じNHKで真面目に働いている人が可哀想になってくる。

2018年11月8日付

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