中南米ビジネスセミナー ジェトロが各国最新情報講演

中南米ビジネスセミナー ジェトロが各国最新情報講演
セミナーの様子

EPAなど経済・社会情勢見据え

 ブラジル日本商工会議所コンサルタント部会(西口阿弥部会長)・企画戦略委員会、ジェトロ・サンパウロ(聖)事務所(大久保敦所長)共催の「中南米ビジネスセミナー」が14日、サンパウロ(聖)市ベラ・ビスタ区のホテル「Maksoud Plaza」で開催された。ジェトロ本部海外調査部中南米主幹の竹下幸治郎氏が中南米全域の講義を行った後、アルゼンチン、チリ、メキシコのジェトロ各国事務所所長らが登壇し、各国の最新情報が盛り込まれた講義が展開された。

 約90人が参加したセミナーの冒頭、在聖日本国総領事館の野口泰総領事が「大きなEPA(経済連携協定)が世界で日本を中心に動いている中で、メルコスールのEPAが課題になってくる。商工会議所と連携し、どういう形でそのEPAに臨んでいくかを日本と相談しているところです」と、また、同会議所コンサルタント部会の西口部会長が「中南米の戦略、投資などを考えている日系企業にとって有意義なプレゼンテーションになる」とそれぞれあいさつして講演へと移った。

 最初に登壇したジェトロ本部海外調査部中南米主幹の竹下氏は、「中米と南米では歴史も含めてGDPのパフォーマンスが違う」と前置きした上で、中南米諸国の経済・社会情勢に着目した。 

 中南米諸国の大統領選挙の動向に着目し、政権が貿易・経済の動きに与える影響の大きさを強調し、8日にチリ・サンティアゴで署名式が行われたTPP11などの経済連携協定・枠組みについても講演で話した。

 TPP11で見込まれる影響、それによるジェトロ側の動きについて、竹下氏は「関税がゼロになる例外品目についてリストアップし、データを掘り下げ、ジェトロで発表する必要がある」と話し、「TPPに署名した中南米3カ国の中では、ペルーが新たにFTA(自由貿易協定)を結ぶ国が増えるという意味で、最も伸びしろがあるように思う」と語った。

 ブエノス・アイレス事務所の紀井寿雄所長は講演の冒頭、「現在、日本とアルゼンチンは過去にないほど関係が良好な状態」と話し、2015年のマクリ政権誕生後に、亜国経済状況が一変してる旨を講義で語った。亜国への日系進出企業は現在約60社で、今年度で5~10社が新たに進出する見込みだという。

 サンティアゴ事務所の中山泰弘所長は、セミナー当日までの1週間で、チリ国内情勢に大きな動きが複数あったことを報告。8日のTPP11署名式に加えて、11日にはピニェラ大統領の就任式が行われていた。現在の日系進出企業数は約95社で、うち20社が現地法人。中には、現地の日系人が運営している飲食店、通訳・翻訳コンサルタント会社の開業が、ここ2、3年見受けられるという。さらに、16年にはアシックスが進出し、今年度にはHISが進出することも見込まれており、スポーツ、旅行分野という新たな業界での参入の動きもある。

 元々実業家であるピニェラ氏の新政権発足で、経済の立て直しに期待がかかる同国内の世論も紹介された。また、進出時のメリットとして安定した政治。社会情勢、リスクとして人件費の高騰がそれぞれ挙がった。

 メキシコ事務所の半澤大介所員は、メキシコが米国、カナダとNAFTAの再交渉中で、今年大統領選挙があることに着目した。自動車産業の進出が顕著な同国では、米国との国境周辺から中央高原地域(バヒオ地域)へ日系企業が移っている現状も話した。

 日系進出企業は16年時点で1111社、在留邦人は1万1390人(在メキシコ大使館)とされている。また、メキシコの課題は現地調達で、現状では日系企業が日系、地場企業からの調達が半々となっている。

 終盤の質疑応答で、メルコスールと日本の交渉段階を問う質問に、竹下氏は「今は交渉の前段階で、通常は中南米の国々と日本がEPAを結ぶ際には、民間から出た声を政府が汲んで研究会など行った上で、交渉開始となる」と、まだ初期段階であることを語った。

 なお、講演で使用された資料は、商工会議所のHP(http://jp.camaradojapao.org.br/)上で閲覧可能となる。

2018年3月30日付

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