二重国籍者のレールパス使用 JR東日本が本紙に回答

日系人大会での決議要望でも改善なし

 【東京支社=瀬頭明男】昨年10月に開催された海外日系人大会で、「JRグループのレールパス使用を二重国籍者にも認め、不公平を無くしてほしい」と大会決議として要望していた問題は、大会から1年になろうとしている今でも、改善の動きがないことが分かった。サンパウロ新聞がJR東日本に問い合わせて明らかになったもので、9月25日、JR東日本は「レールパスの使用は、外国人として入国した人のみに使用を認めている」という回答をしてきた。レールパスはJRグループ全体で運用しているもので、この回答がJRグループとしての見解ということになる。回答は要望前と全く変わっておらず、JRとしては二重国籍者に利便性を与える予定はないようだ。

 レールパスは、海外から「短期滞在」の入国資格により観光目的で日本を訪れる外国人旅行者が対象だが、「日本国籍を持って日本国外に居住(永住)している人」と「日本国外に居住する外国人と結婚している人」も使用することができる。

 しかし、5~6年ほど前から同パスの使用が厳しくなり、日本とブラジルの二重国籍者がブラジル出国時にブラジルのパスポートで出国し、日本入国時に日本のパスポートを使用した場合は使えなくなった。どうしてレールパスの使用が厳しくなったのかはJRでも明確な見解は出しておらず、理由ははっきりしない。一部には、在日ブラジル人との区別が難しく、使用が厳しくなったとの見方もある。

 二重国籍者でレールパスを使用したいと思えば、現在のところはブラジルパスポートで出入国するか、日本のパスポートで出入国するかしか方法はない。日本の「短期滞在」査証を取り、ブラジル国内の旅行社でレールパスを購入すれば、ブラジル国籍者であれば基本的にはパスと引き換えられることになる。ただし、二重国籍者であることが分かれば、レールパスを購入できないか、日本でパスに交換できない可能性もある。

 海外日系人協会では、今年の日系人大会でも同問題を取り上げ、JRに改善を要望したい、としている。
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 この件についてサンパウロ市内の一部の旅行業関係者によると、二重国籍者の顧客から次のような不満の声が出ているそうだ。

 「ブラジルの永住権を持つ日本国籍者がレールパスを使用できるのに、ブラジルに生まれて何十年も(伯国に)住んでいる二重国籍者がなぜ使えないのか」――。

 別の日系旅行社によると、基本的に二重国籍者に対するレールパスの販売は現在行っていないという。「二重国籍者が訪日する際に日本国籍者が同行すれば、一緒にレールパスを使えるという噂を他の旅行社から聞いたことはありますが、定かではありません。(ブラジル国籍者で)レールパスを使用した人の話では、JR各駅の窓口によっても対応が違うそうです」というのが実情のようだ。

 仮に、二重国籍者が訪日のためにブラジルのパスポートを使用し、在聖総領事館などの在外公館で日本の短期滞在査証を取得しようと申請する際でも、総領事館に申請した本人が事前に二重国籍者であることが発覚した場合は査証発給が行われないケースもある。

 ブラジル在住の二重国籍者から改善を求める声がある中、今月開催される海外日系人大会での要望を通じてどのような動きが出るのかが注目される。

2015年10月20日付

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