南米被爆者健診団が来伯 4カ国で健康相談会を実施

南米被爆者健診団が来伯 4カ国で健康相談会を実施
サンタ・クルス病院で健康相談を行う桑原総団長(奥)

聖市はサンタ・クルス病院と援協で

南米被爆者健診団が来伯  4カ国で健康相談会を実施
援協で健康相談を行う様子
 厚生労働省からの委託で広島県が実施する平成30年度在南米被爆者健康相談事業として、日本から派遣された第19回在南米被爆者健診団(桑原正雄総団長)が7日に来伯した。健診団による在外被爆者を対象にした被爆者健康相談会が、8日にサンパウロ(聖)市ビラ・マリアーナ区のサンタ・クルス病院、9日にリベルダーデ区の援協医療センターでそれぞれ開催された。健診団は行政担当者を含めた6人で来伯し、ブラジル2都市を始めとする南米4カ国で健診を行っている。

 同事業では、広島県感染症・疾病管理センター、広島赤十字・原爆病院、日本赤十字社長崎原爆病院の医師が、被爆者が事前に病院で検査した結果を見ながら健康相談を行う。

 1984年にブラジル被爆者平和協会(森田隆会長)が創設され、翌85年から2年に一度行われている同事業は現在、健診団来伯の翌年は伯人医師による健診という形で毎年行われている。広島県健康福祉課被爆者支援課の八幡毅(たけし)課長は「被爆者平和協会が現地での手続きに協力してくれるから、できている」と同協会との連携を強調する。会場では、行政担当者と医療費申請などについて相談する場も設けられた。

 ブラジル在住の被爆者は現在95人(同協会員は84人)で、南米全体で100余人になる。健診団の桑原総団長(広島県医師会副会長)は「日本と医療体制は違うが、高齢化に伴う疾患は同じ」と話す。同相談会で実際に疾患の疑いが見つかり、再検査・治療に至った例もあり、被爆者にとっては健康状態を把握する貴重な機会になっている。

 広島、長崎県では毎年、日伯友好病院、サンタ・クルス病院、杉沢病院(クリチバ市)から医師を招聘し、被爆に関する医療について、知見習得のために研修を行っている。桑原総団長は「優秀な医師が研修に来ていて、現地での診察に関しては申し分ない。あとは日本人被爆者の話を、どれだけ理解できるかが重要になる」と状況を見つめる。同相談会については「日本語で細かいニュアンスまで理解してもらえることが最大のメリット」と語る。

 被爆者の健診を行った谷口英樹医師(長崎原爆病院副院長)は「この事業は、被爆者の話を聞き、健康予防のアドバイスをすることが目的」とし、「原爆病院は被爆者医療が大きな柱。ブラジルで若いころに苦労された方の、お手伝いができれば」と話していた。

 サンタ・クルス病院では、2004年から同事業による事前診療を行っている。同病院の原爆被爆者健康診断プロジェクトを支える藤原ゆりコーディネーターによると、当初は同病院で130人の受診者(被爆者)がいたというが、現在は高齢化により32人となっている。

 加世田俊一医師(広島赤十字・原爆病院副院長)は「広島の被爆者の平均年齢は81歳だが、ここも同じくらいだと思う」と言い、「(身体への)被爆の影響が長年わからなかった分、被爆者も不安だったはず。その気持ちは理解しなくてはいけないと思っている」と語った。

 援協では、被爆者17人を対象に同相談会が実施された。パラー州ベレン市在住の被爆者は、援協から電話で医師との健康相談が行われた。

 健診団は10日から3班に分かれ、パラナ州クリチバ市、ボリビア、パラグアイ、ペルーで同相談会を行う。クリチバ市には同協会の盆子原国彦副会長(78、静岡)が同行した。

 同協会の森田会長(94、広島)は「環境が違う異国に、日本から医師が来てくれるのは力になる。ブラジルの先生も良く診てくれて、お陰さまで元気に過ごせています」と感謝の想いを語った。

2018年10月16日付

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