博多ラーメン、ブラジルへ 東洋街に「博多一幸舎」1号店

博多ラーメン、ブラジルへ 東洋街に「博多一幸舎」1号店
博多一幸舎の研修を受ける倉智さん(手前)と俵さん(奥)

今年10月からの開店に向け準備中

 【福岡発・吉永拓哉福岡支局長】ブラジルで本場博多の豚骨ラーメンが食べられる日がやって来る――。日本の3大ラーメンに数えられる博多ラーメンは、白濁した豚骨スープに細麺というスタイル。近年は福岡市のラーメンチェーン店がアジアや欧米に続々と店舗展開しているが、日本から最も遠いブラジルまでは進出していなかった。そんな中、サンパウロ(聖)市に在住する倉智隆昌さん(34)が、福岡市の人気ラーメン店・博多一幸舎(はかたいっこうしゃ/株式会社ウインズジャパン)と提携し、今年10月にサンパウロ(聖)市リベルダーデ区の東洋人街で同ラーメンのブラジル1号店をオープンすることに決めた。

 福岡県大野城市にある博多一幸舎のスープ工場の中では、横一列に並んだ釜の中で、作業員らが800人前にあたる320キロもの豚の骨をかき混ぜ、その横では2人の男性が熱心に研修を受けていた。

 一人は聖市から来た倉智さん。ブラジル移住歴13年で、これまで「食」を通じた仕事を手掛けてきた。

 同氏の父親が福岡県出身ということもあって、博多ラーメンをブラジルの地で展開しようと、これまでに何度も福岡市まで足び、ブラジル進出に興味がある博多ラーメン店を探し回った。

 倉智さんの話では「ブラジル人は、こってり(脂濃い食べ物)が大好きなんです。だから、日本にやってくるブラジル人の多くは、日系人も非日系人も博多ラーメンにハマるんですよ」と言い、必ずブラジルで博多ラーメンが流行るという。「ブラジルにはすでにラーメン専門店が数店舗ありますが、本場博多の店が暖簾を出した豚骨ラーメン専門店は存在しなかったので、話題になります」と期待している。

 もう一人の研修生は倉智さんの友人で、福岡県生まれの俵秀輔さん(35)。ブラジルに移民した親戚を訪ねて渡伯したことがあり、自身もブラジルへの永住を希望している。

 今回、倉智さんの呼び掛けで博多一幸舎ブラジル1号店の店長候補に選ばれた。俵さんは同博多本店でラーメン作りや接客の修業中で、今月中旬からは米国にあるロサンゼルス店でも2カ月間の研修を受けるという。

 「豚骨スープを一定の味で保つこと、スープの注ぎ方、麺打ちの姿勢など、覚えることはたくさんありますが、頑張ります」と真剣だ。

 博多一幸舎は2004年に創業。ラーメン激戦区の福岡市で人気店となり、現在は日本国内に14店舗、アジア諸国や米国、豪州など8カ国に36店舗を展開している。過去にはブラジル進出を検討していた福岡市のラーメン店もあったが、遠距離のため管理が難しいことやコスト高などから断念した。

 そうした中、倉智さんからブラジル進出を提案された博多一幸舎は、「よそのラーメン店が開拓していない国へ、一番最初に乗り込むことに意義がある」と、その場で進出を決めたという。

 今月末には博多一幸舎から3人がブラジルに入る予定で、聖市リベルダーデ東洋人街の一角に構える1号店の立ち上げ準備を行う。

 博多一幸舎の田中健太郎海外事業部長は「私たちにとってブラジルは未知の国ですが、美味しいラーメンでお客さんを満足させることができれば、おのずと結果を出せます」と自信を見せた。

2017年5月20日付

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