在日日系人労働者の今後 CIATEコラボラドーレス会議

在日日系人労働者の今後 CIATEコラボラドーレス会議
会議の様子

依然として多い不安定な非正規雇用

在日日系人労働者の今後 CIATEコラボラドーレス会議
会議の様子
 CIATE(国外就労者情報援護センター)主催の「2016年度CIATEコラボラドーレス会議」が10、11日の両日、サンパウロ市リベルダーデ区の文協で開催された。今年のテーマは「日本で働く日系ブラジル人労働者のこれから、新たな展望」。両日で約250人が出席した。

 11日の講演では、青森中央学院大学特任教授の尾崎正利氏が「東海地方におけるブラジル人労働者の紛争処理」と題して、移住労働者の雇用形態について述べた。分析対象者は、定住資格の移住労働者、研修資格の労働者、技能資格の移住労働者、留学生で日本に就職した人。同氏によると、対象者の雇用条件は研修・実習生を除いて2、3カ月の短期雇用が多く、2008年のリーマンショック後に短期化(1カ月あるいは1週間単位も)が一層進んだという。問題点としては、アルバイト的処遇の増加と実質的な「日々雇用」があり、労災保険については、事故が発生してから事後的一括加入になるケースが多いそうだ。

 「日本の少年院における外国人処遇について~ブラジル人少年の処遇を中心として」をテーマに講演したのは、市原学園(千葉県市原市の中等少年院)の室橋剛学園長。1990年の入管法改正に伴い、日本語で意思疎通できない日系ブラジル人の少年たちの入所が増えたことに触れた上で、「少年院で日本語の修得と各種機械や道具の操作や講習を受けることで自信を取り戻し、退所後の再入所率は日本人少年の半分くらいまで減っている」と現状を説明。「日本語の分からない両親へ、少年院の活動や連絡事項をポルトガル語で作成して配布したりと小さなことであるが、できることはある」とし、収容人数についても「2002年の59人が最高で、リーマンショック後の在日ブラジル人の帰国などに伴って入所する少年も減少している」と述べた。

 午後からは、厚生労働省職業安定局次長の大西康之氏が「最近の日本の雇用情勢と日系人対策について」講演を行った。リーマンショック以前は中国人に次いで、外国人労働者比率21%と2番目に多く占めていたブラジル人労働者の数が、「2015年には中国35%、フィリピン12%、ベトナム12%、ブラジル11%と4番目に減少している」とし、新たな研修・技能実習生の派遣国の台頭を意味すると分析した。また「外国人とはいえ、日本で生まれて勉強するのであれば、大学を卒業して就職する努力も必要。留学生が日本の大企業に入ることを支援するプログラムもある。子供をしっかり、日本の学校に通わせてほしい」と日系人父兄に呼びかけた。

 信州大学准教授の島村暁代氏は「日伯社会保障協定に関する一考察、日本の法制度を中心に」と題して、現在の日系ブラジル人の在留資格や加入できる年金について講演。在日日系ブラジル人の多くが定住や永住の在留資格を持ち、製造業や派遣会社に所属して働いているが、不安定な非正規雇用職が多く、国民年金の定額負担や定額給付が難しくなっているのが現状だという。

 受給のための加入期間については、2012年3月1日施行となった日伯社会保障協定により、両国でこれまでに支払った年金は両国合算して受け取ることができる。しかし、ブラジル側で受け取り可能な最低加入期間が15年必要で、日本側の最低加入期間が25年だったものを今後10年に短縮する法律が2012年に改定されているが、「施行は日本国内の消費税率改定とセットで行われると発表され、先延ばしされている」と現実問題を指摘した。

2016年9月21日付

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