変わる地球環境② 17年の海水温、史上最高に

特別寄稿 成田修吾

 2017年の海水温は観測史上最高、研究発表各国が収集してきた過去60年の海水温データを分析(NGニュース・18月1月31日版)。海水温はどうやら当分の間、下がりそうにない。17年の海水温は、これまで最高だった15年の記録を上回り、観測史上で一番の暖かさだった、と中国科学院の研究チームが発表した。

 つまり、「地球は人間の活動を原因とする長期的な温暖化傾向にある」ということだ。海水温は地球全体で上昇しつつあるが、なかでも大西洋と南極海の温度が史上最高を記録した。

 今回の研究で分析に使用した海水温のデータは、米海洋大気局(NOAA)を始めとする様々な機関が1950年代から収集してきたものだ。海水温は、90年代後半から上昇し始めている。

 研究チームは、長期的な海水温変動を調べることで、異常気象の影響を加味した温暖化トレンドを的確に表現しようと試みた。例えば、2016年の海水温は、15年と17年に比べて低かったが、それは極端なエルニーニョ現象により、水温が下がっていた。17年9月8日の暑い冬の日に、ブラジル、リオのイパネマ海岸に集まった人々の写真報道があった。米海洋大気局(NOAA)によると、17年の1月から6月までの世界気温は、観測史上2番目の暑さだった。海水温が高いとどうなるか?紫外線がますます強くなってくる海外で、体を焼くとどうなるのかお分かりと思う。

 波打ち際で水遊びをしている海水浴客は、海の温度が年々上がっていても気づかないだろうし、大気が受ける影響もはっきりと目に見えるわけではない。だが、たとえ気づかなくても、海水温の上昇は確実に悪影響をもたらしている。

 海の温暖化現象は、サンゴの白化と海氷融解を引き起こしている、と研究チームは今回の発表の中で指摘している。

 1月初めに発表された論文では、温暖化による海水温の急上昇が原因で、サンゴを救うチャンスが急速に失われつつあり、状況は絶望的だとする報告があった。

 一方、海氷に対する影響はここまで絶望的ではないが、北極海の氷の面積も過去数十年間で徐々に減っている。海氷の面積と厚さは1979年から衛星を使って観測されているが、どちらも減少している。

 また研究チームは、海水の温暖化による潜在的影響として、海洋に溶け込んでいる酸素が減少していることも訴えている。水中の酸素が減った海域にいると魚は窒息してしまうため、その区域を避けているとする論文が1月に発表された。

 ほかにも海の温暖化が引き起こす影響として、海面の上昇、豪雨の増加、そして海の生息域がぜい弱になる点を挙げている。「地球温暖化を知るには、まず海の温暖化を理解する必要があります」と、米セント・トーマス大学の熱学の専門家、ジョン・アブラハム教授は英ガーディアン紙の論説で述べている。

◆海水温が上昇した原因は?

 温暖化の原因は、二酸化炭素やメタンのような温室効果ガスにある。こうした気体が太陽から吸収した熱を地表近くに閉じ込めて保っているために、温暖化が起こる。2016年に発表された論文によると、1トンの二酸化炭素が排出されずにすめば、約3平方メートルの北極海の氷が解けずにすむ。

 しかし、こうしたガスはすでに大気中に放出されており、その影響は数十年がかりで表れてくる。(つづく)

2018年6月8日付

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