小さくても大きな活動 生徒数10人のリオ日本人学校

小さくても大きな活動 生徒数10人のリオ日本人学校
日本人学校の門構え

常に異文化との交流を経験

小さくても大きな活動 生徒数10人のリオ日本人学校
引地校長

 リオデジャネイロ日本人学校(引地清人校長)は、現在全校生徒が10人。30年前には200人を超える生徒がいた同校は規模こそ小さくなったものの、ダイナミックな活動を展開し、リオ日系社会に留まらない存在感を示している。リオデジャネイロ連邦大学と共同で制作中の「リオデジャネイロ音頭(仮)」は、来年に控える移民110周年記念式典やリオ市内での日本祭りで披露することを見据えている。歌詞やテーマを協議し、選考する中で、ブラジル人大学生との交流、小学校1年から中学校1年までの各年代が幅広く揃う同校の状態を通して、「現実世界と一番近い環境で常に異文化との交流を経験し、鍛えられている」と引地校長は生徒の成長ぶりを語る。「小さいけれど、スケールの大きい活動ができる学校」を理念とする同校の近年の活動、今後の活動も含めて、引地校長(62、千葉)に聞いた。

 先日、サンパウロの日本人学校が50周年を迎えたが、リオの同校は1960年に石川島重工業が石川島ブラジル造船所(通称・イシブラス)に派遣された社員の子弟達を対象に、企業内教育施設として開校されたことが始まりだった。開校57年目となる現在、同校の生徒数は、小学校1年から中学校1年までの年代の10人。教員は6人で、うち4人はブラジル人が担っている。

 同校は、隣接するリオデジャネイロ日系協会が運営している日本語モデル校との交流も盛んだ。引地校長は「日本語モデル校と一緒にやっている学校は珍しい。交流は日常化しており、国際化が著しい」と同校の特徴を語る。

 同校を挙げて取り組んでいるのが、リオデジャネイロ連邦大学で日本語を学ぶ学生と共同で、「通称リオデジャネイロ音頭(仮・名称未確定)」を企画していること。リオの海、景色や観光地、食べ物などをテーマに歌詞を決定し、現在同楽曲のタイトルを協議している段階にある。引地校長は「学生たちが自らの考えを出し合って歌詞を作成した。テーマは子どもたちからリオの自慢を集め、ビーチの美しさや、人の優しさ、美味しい食べ物など多くの意見が上がった」と生徒の自発性を促し、素直にリオを見つめた歌詞を作ったことを説明する。同楽曲の初披露は10月末にある文化祭の予定。さらには、来年のリオ市内での日本祭り、移民110周年式典でも披露する予定だという。

 同楽曲の制作過程を見守ってきた引地校長は「ブラジル人学生との交流を通して、(日本人学校の)子供たちと互いの感性がいかに融合されるのか、こちらも良い勉強になった」と語る。

 また、同校の各年代の生徒が揃う状況や、大学を訪問して大学生と触れ合う経験をする中で、「現実世界と一番近い環境で常に異文化との交流を経験し、鍛えられている」と、子供たちの成長ぶりを嬉しそうに話した。

 同校には今年、日本からの視察団や、バイア州からの教育財団の訪問も予定されるなど、注目度は高い。10月には中南米校長会が同校で予定されており、中南米の日本人学校の校長が一堂に会する。同校長会では、「リオデジャネイロ音頭(仮)」の制作風景を見てもらう予定だ。

 また、昨年のリオ五輪及びパラリンピックの際には、選手全員にメッセージを書き、コルコバードの形にまとめて選手村に送った。それを喜んだ選手村は、生徒たちを選手村に招待。選手村の粋な計らいに引地校長自身も驚いたという。

 同校は30年前には200人の生徒を抱えるマンモス校だったが、現在は10人。ブラジル進出日本企業のサンパウロ移転や、治安の悪化などの影響は無視できない。それでも引地校長が「小さいけれど、スケールの大きい活動ができる学校」と話すように、少数規模ではあるものの、大きな存在感を持つ日本人学校としてリオ日系社会を支え、子どもたちを育んでいる。

2017年9月29日付

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