弓場農場クリスマスの集い㊤ 農場総出で聖夜を祝す 恒例行事で社交や教育・連帯も

弓場農場クリスマスの集い㊤ 農場総出で聖夜を祝す 恒例行事で社交や教育・連帯も
「きよしこの夜」を斉唱する様子
弓場農場クリスマスの集い㊤ 農場総出で聖夜を祝す 恒例行事で社交や教育・連帯も
豚の丸焼きはじめ、農場総出で用意された馳走が並んだ。

 弓場農場(コミュニダーデ・ユバ、望月友三会長)主催の毎年恒例の「クリスマスの集い」が、サンパウロ(聖)州ミランドポリス市内の同農場で開催された。12月24日にはクリスマス・イヴのパーティーが、同25日には音楽とバレエと芝居の公演も行われ、同農場に帰省した子弟らや、近郊のアリアンサ移住地、聖州各地、南マット・グロッソ州の遠方からもゆかりのある人たちが駆けつけ、盛況となった。「耕し、祈り、芸術する」共同体である同農場にとって、教育や連帯を強める機会でもあり、農場外との社交の場でもあるこうした催しは、約28家族、平均約54歳、約60人の会員と滞在中の旅行者らを中心に、今もなお脈々と続けられていた。(河鰭万里記者)

 24日のクリスマス・イヴのパーティーは午後7時から、小原明子さん(82、東京)の司会で始まった。会場に集まった約150人の一同が、弓場不二子さんのピアノ伴奏に合わせてクリスマス・キャロルの「きよしこの夜」と「もろびとこぞりて」を日本語で斉唱。続いて、矢崎正勝さん(74、山梨)が祈りを捧げた。

 あいさつに立った望月会長は、矢崎正勝さんが約2週間の入院生活からこの日に退院してきたことにも喜びと神への感謝の意を表し、「来年もまた、誰一人欠けることなく健康な姿であられることを願っております。メリー・クリスマス!」と祝辞を述べた。

 最後に、弓場大五さんの音頭で乾杯が行われ、参加者は並べられた馳走に舌鼓を打った。こんがりと焼けた豚の丸焼きに、自家燻製(くんせい)のハム、シュウマイの皮の代わりにもち米を使った、名物のもちシュウマイ、トルタ(タルト)にシュークリーム、エスペチーニョ(串焼き)、その他農場で収穫された、彩り豊かな野菜や椎茸の料理などがずらり。日頃から同農場に暮らす人々が汗を流して働き、生産してきた農畜産物を使い、農場総出で一つ一つ手作りで用意した料理だ。

 会場入り口のクリスマスのツリーや室内の雪印の紙飾りや電飾などの装飾に加え、椅子や机を運んだりといった設営も、農場の子どもや聖市などから帰省した子弟らが、前日から手伝いながら準備に励んでいた。そうした準備の最中に近況報告や思い出話、多愛のない会話が入り交じり、農場に残って暮らす人、生まれ育ったが離れている人、新たに住人となった人、一時的に滞在している旅行者らが親交を深める姿もあった。

 その後、会場では、7月から12月の間に誕生日を迎えた農場会員らのお祝いも兼ねた、クリスマスケーキの入刀に続き、恒例のプレゼント交換も行われ、会場には笑顔が溢れた。

 今回は4度目で、約1カ月滞在中の旅行者である塙(はなわ)和博さん(67、東京)は、「(同農場は)良い面も悪い面もあるけれど、まとまりがあると思う。毎朝の祈り、芸術、全てがあって団結している。非常に感動しました」と、充実した表情を浮かべた。

 「神に頼んで、救われて」と、毎年恒例の催しにも参加の喜びを噛みしめるのは矢崎正勝さん。「(伝え残すことは)もうないよ。ここで生まれ育った人間が、本能で感じることが正しいんだよ。移民ってのは子孫が作るもの。(自分ら)1世には歴史はないんだよ。子どもたちは本質的に、生活の知恵を全部持っているんだよ」と語り、感慨深げに会場を見守った。

 望月会長は、「どんな人でも良いところはあるはず。それを見つけることが自分自身の課題」と表情を引き締め、「弓場はみんな持ちつ持たれつだけど、自分たちの母、父が今の(農場の)在り方をつくるためにどんな思いでブラジルに渡ってきたのか。先亡者、先輩を決して忘れてはいけない、そういうことも感じる」と語り、グラスを傾けながら宴の夜が更けていくのを眺めていた。(つづく)

2018年1月9日付

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