念願のブラジル公演決定 「万有引力」が「奴婢訓」を上演

念願のブラジル公演決定 「万有引力」が「奴婢訓」を上演
来伯した小竹、高田、シーザーの各氏(左から)

弓場農場皮切りにサントス、聖市で

 【既報関連】日本ブラジル外交関係樹立120周年記念事業である劇団「演劇実験室◎万有引力」(以下、万有引力)のブラジル公演として、今月13日の弓場農場(サンパウロ(聖)州ミランドポリス市)を皮切りに、21、22日のSESCサントスと、28、29日に聖市のSESCピニェイロスでの計5公演が開催されることが正式に決定した。20年ぶり2回目の来伯となる「万有引力」の今回の公演は、日本の現代演劇の創出者で「天井桟敷」主宰だった故・寺山修司氏の作品として1978年に初上演され、日本や欧米など約30都市で200回以上ものロングランで演じられている「奴婢訓(ぬひくん)」。5日に同劇団主宰兼演出家、音楽・舞台美術担当のJ・A・シーザー氏(67、宮崎)をはじめとする団員32人がブラジル入りし、同公演の意気込みなど話を聞いた。

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 「奴婢訓」はイギリスのジョナサン・スウィフトの未完の手稿「奴婢訓」をもとに寺山氏が書き下ろした作品。登場するのは、下男、女中、作男、料理人、門番などの「奴婢」ばかりで、劇場の闇は主人のいない屋敷を揶揄(やゆ)するというもの。「万有引力」ではこれまでに世界各地で200回を超える同公演を行っているそうだ。

 本紙のインタビューに応じてくれたのは、シーザー氏をはじめ、「天井桟敷」時代から活動する「万有引力」創立劇団員の高田恵篤副理事(58、富山)と武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科教授の小竹信節さん(65、東京)の3人。

 シーザー氏によると、寺山作品の代表作である「奴婢訓」をブラジルで上演することは、以前からの念願だったという。同作品についてシーザー氏は「寺山さんの演出をかなり近い形で再現すること」と語り、時代の流れとともに舞台をはじめ、役者、機材も変わっていく中で「同じ作品でも常に新しいオリジナルの舞台を創り上げること」を劇団員は意識しているそうだ。

 今回、団員が日本から準備したものは機材だけで40フィートのコンテナ(約20トン)1基分に及び、衣装も各団員が手荷物として運んできている。

 同作品は、青森県生まれの寺山氏が同じ東北出身(岩手)の詩人・宮沢賢治への思いとともに南米文学が好きだったという同氏が「いつか南米でやりたい」という思いを「万有引力」が実現させた形だ。

 シーザー氏は「昔の色を照明で演出し、単なる技術だけでなく、俳優たちがその色を作っていく。観客を巻き込んだ舞台にしたい」と意気込みを表していた。    

 公演の詳細は次の通り。

 13日午後8時半から聖州ミランドポリス市の弓場農場(プレビュー公演)。入場無料。12日は同農場でワークショップも開催。問い合わせは同農場(電話18・3708・1247)まで。

 21日午後9時、22日午後8時からSESCサントス(Rua Conselheiro Ribas, 136 Bairro Aparecida)。一般30レアル、学生と60歳以上は15レアル。

 28日午後9時、29日午後6時から聖市SESCピニェイロス(Rua Paes Leme, 195)。入場料はサントス公演と同じ。

 チケット購入は、各SESCチケット販売窓口、またはホームページ(www.sescsp.org.br)を参照のこと。

 「万有引力」の詳細はホームページ(www.banyuinbrasil.com.br)。

2015年11月11日付

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