憩の園窮地で再建特別委員会設置 荒れた18年度定期総会

憩の園窮地で再建特別委員会設置 荒れた18年度定期総会
総会の様子

佐藤直会長が2期目、役員も続投

憩の園窮地で再建特別委員会設置 荒れた18年度定期総会
続投が決まった佐藤会長

 社会福祉法人救済会・憩の園(佐藤直会長)の2018年度定期総会が10日、サンパウロ市リベルダーデ区の文協ビル5階エスペランサ婦人会事務所で開催された。一刻を争う財政・経営状態を抱えた同園では、昨年度の会計報告で質問が相次ぐなど、再建に向けた意見が飛び交い、熱の籠(こも)った議論が展開された。役員改選では、佐藤会長の2期目続投が決定。また、再建への第1歩として、今後の方針を話し合う特別委員会を設置。同園に、今後の実行力が問われる格好となった。

 冒頭、佐藤会長があいさつし、追悼者に1分間の黙とうが捧げられた。

 昨年度の活動報告の後に行われた昨年度の会計報告では、当日の主題となる経営問題について質問が相次いだ。収入478万1827レアル、支出520万9792レアルが計上され、42万7966レアルの赤字が計上された。

 同園に40年以上務めていた大浦文雄さん(93、香川)は「80歳で引退していたが、今回はこのままでは潰れるから出てきた」と再建の急務を訴える。

 同園は、1941年に始まった太平洋戦争に伴い、敵性国民としてブラジル連邦警察に拘引された日本人を救済する目的で、渡辺マルガリーダ(ドナ・マルガリーダ)氏を実行委員長として発足した「サンパウロ・カトリック日本人救済会」が前身。53年に救済会に改称し、日系人を対象とした救済・援護活動を行ってきた。

 その後、58年に老人ホーム「憩の園」が開園され、高齢者のための福祉活動を主として運営されてきた。

 質疑応答の中で、大浦さんは、長期的な福祉団体統合についても思案すべきだと提言。吉岡黎明(れいめい)副会長も「短期的な問題としては財政対策を立てて首をつなぎ、長期的な統合を考えるべき」と語った。

 これに対し、サンパウロ日伯援護協会の与儀昭雄会長は「援協も同じような問題を抱えている」と話すに留まった。

 相田祐弘常任理事は「救済会の窮状について、理事たちで1月30日に役員会を開き、今後の対応策について議論した。有志の中で、長期的な統合を模索している」と話し、続けて「顧問会で大浦さんを会長とし、統合運動を引率する役に立てることを提案したい」と持ち出した。

 これに賛同した評議員の網野弥太郎さん(80、山梨)は役員改選に新しい顔ぶれがいないことを踏まえて、「今後の方向性を話し合うための特別委員会を、理事会、顧問会からの有志で発足したい」と提案し、承認された。今後、特別委員会で方針を模索することになる。

 大浦さんは「顧問会のメンバーが参加しないと、(同園の)歴史を踏まえた会議は難しい」と話した。

 2018年度の事業予算では、収支509万4763レアルを計上。内訳は寄付293万レアル、イベント収入127万8850レアル、その他87万4401レアルが提示・承認された。

 役員改選では、シャッパ・ウニカ(単一シャッパ)が提出・承認され、佐藤会長の2期目続投が決定。評議員も含めて、当日出席していた役員全員が紹介された。

 総会の終盤、大浦さんは来賓席を指さし、「会議が閉会する時、ドナ・マルガリーダは『みなさん今日決めたことは必ず実行してください』と言っていた」と、会議では口数が少なかったという創始者の言葉を力強く紹介した。

 同園には、今後の実行力が問われる。

2018年3月13日付

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