政治家1800人超に不正資金 現・元大統領側にも支払いと証言=JBS

政治家1800人超に不正資金
20日の会見で最高裁への捜査一時停止要請について発表するテメル大統領(Foto: José Cruz/Agência Brasil)

大手食肉企業JBSとその持ち株会社J&Fのオーナー、ジョエズレイ・バチスタ氏ら同社幹部による司法取引証言が政界にもたらした混乱は週末も続いた。国営石油ペトロブラスに関係した汚職捜査「ラバ・ジャット作戦」の案件で連邦最高裁判所の報告官を務めるファキン判事は19日に、同社幹部が連邦検察庁に行った証言の映像を公開。役員のリカルド・サウド氏はその中で、同社から当選者を含む28政党1829人の候補者に対して計5億レアル以上の不正献金が行われたと証言したほか、テメル大統領に関しても、副大統領候補だった2014年の大統領選の際に、同社に便宜を図る見返りに1500万レアルを受け取ったと証言した。大統領府は証言の内容を否定している。ファキン判事は18日、バチスタ氏が録音、検察に提出した大統領との会話で、大統領から司法妨害を容認する発言があったとの疑惑に関し、連邦検察庁の要請を受けて大統領の捜査開始を許可した。これに対して大統領側は、録音の鑑定が終了するまで捜査を停止するよう求める申し立てを最高裁に行っている。

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21日にサンパウロ市パウリスタ大通りで行われた大統領辞任を求める集会(Foto: Roberto Parizotti / CUT)

同社は国営石油ペトロブラスに関連した汚職捜査「ラバ・ジャット作戦」や国家社会経済開発銀行(BNDES)からの融資にからむ疑惑など複数の案件で連邦警察の捜査対象となっている。

バチスタ氏と大統領の会話は、今年3月7日夜に副大統領公邸で面会した際秘密裏に行われたとされるもの。バチスタ氏が、ペトロブラス汚職捜査で勾留中のクーニャ元下院議長が証言を行わないようにする目的で行っている資金提供や、判事や捜査関係者の協力に関して発言した際、大統領がそれらを容認するかのような発言をした疑惑が浮上している。

このほか、ペトロブラスからの天然ガス供給に関連した案件に関して、大統領が挙げた元補佐官のロウレス下議が仲裁にあたり、賄賂が支払われたとの証言も行われている。

連邦検察庁はこれらの内容に関して、司法妨害、汚職および犯罪組織への参加などの疑いでファキン判事に捜査開始許可を要請し、同判事により許可された。同捜査要請では、大統領のほか、ネベス上議、ロウレス下議(両議員とも職務一時停止中)も対象となっている。ジャノー検事総長は最高裁に送った文書で、ネベス上議が大統領とともにラバ・ジャット捜査を妨害しようとした疑いがあると指摘している。

大統領は、ジョエズレイ氏による会話録音の内容が報じられた後に行った会見で疑惑を否定し辞任の意思はないことを宣言した。その後、大統領は20日に再び会見し、公開された録音の鑑定が終了するまで自身の捜査を一時停止するよう求める申し立てを最高裁に行う意向を示した。同日中に大統領の弁護士により行われた申し立てに対し、ファキン判事は鑑定のため録音を連邦警察へ送付する決定を下した。大統領側の申し立ての審理は、録音の鑑定後に行われる見通しとなっている。

JBS側から大統領に支払われたとされる1500万レアルについて、サウド氏は、14年選挙で大統領候補だったジルマ前大統領が属するPT(労働者党)に向けた資金の一部で、テメル氏から所属政党のPMDB(民主運動党)全国本部や各州へ分配されたと証言している。900万レアルは公式な献金を装って支払われたという。

1800人あまりの候補者に対する資金の目的は将来の良好な関係を目的としたものだったとし、このうち23州の州議179人と下議167人が当選したという。政党の数は19に上るという。また、16人の当選した知事にも賄賂が支払われたと証言している。

ジョエズレイ氏からは、JBS側からルーラ、ジルマ両元大統領に対し、09年~14年にかけて計1億5000万ドルを国外銀行口座に送金したことが証言されている。これらの資金の支払いはマンテガ元財務大臣が仲介し、ジルマ前大統領の選挙資金などに使われたとしている。

政界の混乱が続く中、連立与党のPSB(ブラジル社会党)は20日に開いた全国役員会議で連立から離れることを決定した。同党が上下院で有する議席は42で、連立内で6番目に多い。

下院事務局に提出された大統領の弾劾続き開始請求は22日の時点で14件となっている。20日夜にはブラジル弁護士会連邦評議員会の会合で、同会が下院に大統領弾劾を求めるよう勧告する特別委員会の意見書が賛成25、反対1で承認された。同意見書では、公開されたバチスタ氏と大統領の会話録音の内容に関し、大統領の背任にあたるとの見方を示している。

G1サイトの報道によれば、21日には中央労働組合組織や左派系社会運動グループなどの呼びかけにより、サンパウロなど国内19州および連邦直轄区で大統領の辞任を求める集会が行われた。

2017年5月23日付

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