新来記者日記

 9日夜に日本からサンパウロに到着したばかりで、翌10日からの初出勤では時差ボケも抜けず、朝から目をこすりながらの仕事始めだった。

 新来記者は、学生時代を含めると6年近く海外放浪を続けてきた。アジア諸国だけでなく、ヨーロッパやエジプトなどにも行き、ブラジルには3年前のサッカーW杯の時に主に現地の友人を訪ねに一度来たことがある。

 異国の土地を歩き、異国の人間の生き方に肌で触れるのが放浪の醍醐味ではあるのだが、ここ最近は異国で出会う日本人というものに興味がある。カイロの安宿に何年も住んでいるヌシのような音楽家や、タイ北部の奥地を開拓して小さな村を作って住んでいる人々や、中国雲南省の僻地で宝石を使ったアクセサリーを創作しながら生業としているような人々に出会うことがしばしばある。そうしたある種の漂流者たちの物語にはそれぞれ偶然や、不思議な行動論理のようなものがあるように感じる。それは、その人たち独特の「生きる力」とも呼べるかもしれない。そして、そうした人々の人生はいわゆる日本の歴史からはこぼれ落ち、旅人の間で語り継がれることがなくなれば、きっと忘れ去られてしまうだろう。異論覚悟で私見を展開することにご容赦いただければ、これはブラジル日本移民とどこか共通するところがあるのではないだろうか。

 こうした個人的な問いを抱えながらも、情けないことにポルトガル語もままならず、日系社会のことは未だ右も左もよく分からない。どうか、一人でも多くの人々と関わりながら、一つずつ学ばせて頂けたら幸いである。これからご指導ご鞭撻のほど、どうかよろしくお願いしたい。

2017年4月14日付

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