日メEPA 県連が嘆願書提出 早期交渉を日本政府に打診

日メEPA 県連が嘆願書提出 早期交渉を日本政府に打診
日本祭りであいさつする山田会長

日系社会から実現への期待の声

 ブラジル日本都道府県人会連合会(県連、山田康夫会長)は、日本とメルコスール(南米南部共同市場)間での締結が望まれている経済連携協定(EPA)の早期交渉を求める嘆願書を作成し、各県に向けて郵送した。契機となったのは、7月に開催された「第21回ブラジル経済合同委員会」で両国政府にEPA締結の早期交渉を求める共同研究報告書が採択されたこと。県連は、主催する日本祭りなどで、母県の産品を輸入する際、貿易障壁が一つの課題になってきた。この状況の打開に、日系進出企業からも注目が集まっている。

 11月末に、G20(金融世界経済に関する首脳会合)がアルゼンチンで開催される好機に、安倍晋三首相とブラジル側とが早期交渉に臨み、EPA交渉が進展することを期待する声が強い。

 ブラジル日本商工会議所(松永愛一郎会頭)は2013年からEPA締結を目指してきた。当初は日伯経済合同委員会で日伯間のEPA締結を目指していたが、昨年から対メルコスールに切り替え、7月に同報告書採択に至った。

 県連では、7月に行われた第21回日本祭りの際、ジェトロ・サンパウロ事務所(大久保敦所長)による母県の物産品見本市準備の際、高関税、通関という貿易上の障壁が大きく、同月から嘆願書の準備を進めた。

 嘆願書は、既に在サンパウロ総領事館に提出され、安倍首相、菅義偉官房長官、河村建夫衆院予算委員長、外務大臣、経済産業大臣、農林水産大臣、全国知事会会長らの元まで送付されている。県人会の周年事業に訪伯した岐阜、沖縄の副県知事、岩手県知事や、ブラジル政府と東日本大震災による日本産食品の輸入規制撤廃交渉で来伯した宮腰光寛内閣総理大臣補佐官らには手渡した。今月9日以降も、愛知県人会創立60周年記念式典に来伯する同県知事に手渡す予定となっている。

 7月26日に行われた7月度代表者会議の場で各県人会会長に嘆願書が配布され、今月中に母県への郵送が依頼された。山田会長は「県人会が今まで母県から企業を呼んでブラジルのバイヤーを紹介したこともあるが、貿易上の問題で上手くいかなかった」と現状を語り、「これ(嘆願書提出)は日系社会の想い。県人会の活性化にもつながり、若い世代にとっても今後重要になる」と言葉に熱が籠(こも)る。

 既に母県に郵送したという県人会会長からは、「メルコスールとの協定で、貿易だけでなく、人の交流が盛んになることも考えられる」、「コロニア(日系社会)にとっても日本が近くなる」といった声が上がっていた。

 日本から酒類・食品輸入を行っているニッポン・ベビーダス社の川添博社長も「実現すれば大きな後押しになる。書類が一つでも減り、税金が少しでも減れば追い風になる」と期待する。

 EPA締結により関税が緩和されれば、日本政府が促進する母県の農産物輸出拡大に向けた確かな一歩となり、日本産食品に現状より安い価格設定が可能で、ブラジル社会への日本食文化普及にも大きく寄与する。

 韓国や中国は既に交渉を開始しており、日本のEPA早期交渉は必須。今後の日伯経済関係を大きく左右するだけに、県人会長らも「安倍さんが本気になれば、できるはず」と実現への期待が高まっている。

2018年9月7日付

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