日伯の若手演者が共演 「ウチナー芝居」に800人来場

日伯の若手演者が共演 「ウチナー芝居」に800人来場
大迫力の「ツナヌミン」

国を越えたウチナーンチュの絆

日伯の若手演者が共演 「ウチナー芝居」に800人来場
ウチナー芝居「じいちゃんばあちゃん」の一幕

 ブラジル沖縄県人会(島袋栄喜会長)主催の「第1回世界のウチナーンチュの日祝賀」並びに「第11回ウチナー芝居」記念公演が10月29日、同県人会館大サロンで開催された。会場には800人以上が来場し、満席どころか、立ち見客や2階の食堂の窓から覗き見る観客などで会場は溢れかえった。第1部では、ビラ・カロン支部のウチナーグチ(沖縄方言、あるいは沖縄語)研究所の喜劇に加え、琉球古典音楽、民謡、舞踊、太鼓、獅子舞、寸劇など様々な伯国内の文化芸能団体が会場を盛り上げた。第2部では、平田大一氏ら10人の来伯者が伯国側の若手演者らと共に新旧の琉球音楽や躍り、祭りの実演などを披露。満員の会場が一体となり、海を越えたウチナーンチュの絆の強さを改めて証明する一日となった。

 昨年10月の「世界のウチナーンチュ大会」で、毎年10月30日に制定された「世界のウチナーンチュの日」。第1回目となる今年は、沖縄県の文化芸能派遣事業として同会が開催された。冒頭の開会式では、翁長雄志(おなが・たけし)県知事の祝辞が沖縄県文化観光スポーツ部統括監の山城貴子氏から代読された。代読文には、ブラジルでも琉球文化が幅広い世代に親しまれていることが触れられ、「それはウチナーネットワークの継承と発展が絶え間なく進展しているということであり、今後におかれましても、世界中の県人会の鏡となる活発な活動をご期待申し上げます」と寄せられた。

 続く第1部は、祝賀の琉球古典「かぎやで風(ふう)」の荘厳な音色と優雅な舞踊で幕開け。数々の唄や躍りといった琉球芸能に会場からは指笛や拍手が送られ、会場は熱気に包まれた。そうした中でも、この日目立ったのはウチナーグチ。上原ひろし氏による「ウチナーグチユンタク」では、独特のリズムのウチナーグチの語り口で小話が披露され、会場は笑いの渦に包まれた。

 第1部のトリを飾ったのはウチナー芝居「じいちゃんばあちゃん」。公演前、ビラ・カロン支部のウチナーグチ研究所の指導者を代表して高安宏治さん(69、沖縄)があいさつに立った。「芝居の配役のみなさんは、ウチナーグチを学ぶ2世、3世。最初は言葉の意味さえわからない生徒でしたが、言葉の意味と発音を教え、重ねていくと、情熱と愛情の演技をこなし、日々上達してようやくみなさんの前で演ずることができます」と盛り立てた。

 今回は、舞台横に設置された画面上にポルトガル語字幕も映され、駄洒落や言い間違えといった、翻訳では伝わりにくい笑いの解説も行われていた。近所に暮らす頑固で不仲の「じいちゃん」と「ばあちゃん」。それぞれの娘と息子が恋に落ちたことを引き金に、チグハグなやりとり、滑稽なドタバタ劇が絶妙な間合いで続き、会場には幾度も爆笑の嵐が起こった。
 続く第2部は、壮大な銅鑼(どら)と「祈りの唱(うた)」で幕が上がり、満を持しての平田氏らの登場となった。4章仕立てで行われた公演は、宮廷舞踊の「四つ竹」「若衆躍り」や八重山の豊作の舞「マミドーマ」を始めとする伝統的な芸能から、創作エイサー「ミルクムナリ」や創作舞「ダイナミック琉球」など、新しい琉球芸能も披露された。

 会場から太鼓と三板(さんば、沖縄の小型の打楽器)を叩きたい人を登壇させ、平田氏が自ら簡単に指導し、三線で即興共演をする一幕も。他にも会場全体を使うなど、平田氏の演出家としての工夫も功を奏した。石垣島の祭「四カ字(しかあざ)豊年祭」の一幕「ツナヌミン」の実演では、担ぎ上げられた2人の武者による長刀と鎌の戦いが披露され、その迫力に会場からは驚嘆の声も。最後には恒例のカチャーシー「シンカヌチャ」で、参加者全員が立ち上がって舞い踊り、熱狂さめやらぬまま、閉幕となった。

 第2部の開始早々から観客席から立ち上がって躍り始め、終始感激した表情で鑑賞していた南恒子さん(84、沖縄)は、「今日は沖縄にいるつもりになって、故郷南城市大里字大城が本当に懐かしくなりました」と微笑み、会場を後にしていった。

2017年11月11日付

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